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郵船航空サービス/3月期の売上高10.7%減、当期利益85%減

2009年04月27日/決算

郵船航空サービスが4月27日に発表した2009年3月期決算によると、通期の業績は売上高1674億6000万円(前年同期比10.7%減)、営業利益45億7400万円(55.2%減)、経常利益53億5400万円(55.2%減)、当期利益10億8300万円(85.1%減)となった。

事業別の概況では、貨物運送事業は第2四半期までは原油価格高騰による輸送コストの大幅増加などで航空貨物の回避傾向が顕在化し、海上輸送への移行が進んだ。第3四半期以降は、原油価格の下落に伴う航空貨物に関する燃油サーチャージ低減にもかかわらず、自動車関連部品や電子部品など、さまざまな業種での販売不振と生産調整に伴って、航空貨物の取扱重量・件数は対前期比で大幅に減少。海上貨物の荷動きも急速に鈍化した。

同期からスタートした新中期経営計画に沿って業務改善とコスト削減運動(アタック10)を推進し、昨年9月以降の日本発輸出航空貨物の激減に対し、損益改善を主目的とした追加的なコスト削減の緊急プロジェクトを立ち上げたが、取扱いの急減を補うには至らなかった。特に日本での落ち込みが著しく、貨物運送事業の売上高は1626億8600万円(10.5%減)、営業利益は40億6900万円(57.2%減)となった。

地域別の動向では、日本からの米州・東アジアへ自動車関連部品や液晶関連部材の出荷が著しく減少。第3-4四半期の航空輸出の取扱いは、それぞれ38.2%減、57.9%減となり、通期でも24.7%減だった。航空輸入は期初より市況の低迷が続き、また、中国からの食料品への不安やボジョレーヌーボーの取扱量の減少なども影響し、取扱いは12.5%下回った。海上貨物は、航空輸送からの切り替え需要もあり、第2四半期までは堅調だったが、第3四半期に入って荷動きが鈍化。輸出入とも前期を下回った。売上高は723億3700万円(17.2%減)、営業利益は1億5700万円(96.3%減)の大幅減となった。

北米では、日本などアジアへの荷動きが自動車関連部品を中心に減少。航空輸入は日本や東アジアからの自動車関連部品の輸入が減少し、取扱いは前期を下回った。海上貨物は、航空貨物からの輸送切り替え需要などにより、輸送用資材を中心に輸出入とも概ね順調に推移。ロジスティクス事業では、カナダ自社倉庫での保安規格・TAPAクラスA取得などの品質・セキュリティ強化や、米マイアミのロジスティクス機能を強化し、部品保管・配送サービスの充実に努めたが、倉庫拡張や人員増強に伴う先行費用も増加。売上高は166億9600万円(6.0%減)、営業利益は5億2800万円(46.9%減)となった。

欧州の動向は、航空輸出は昨年7月頃までは医療機器や自動車関連部品の取扱いが堅調に推移し、ほぼ前期並みに推移したが、10月以降アジア・米州向けの自動車、航空機関連の取扱いが減少した。また、欧州のゲートウェイ拠点であるドイツとオランダへの混載集約を進め、東欧圏への定期トラック輸送サービスの拡充を図った結果、アジアからの事務機器取扱いの拡大、自動車関連部品等の緊急輸送取扱いなどに結びついた。

海上貨物は、輸出で自動車関連部品の取扱量が減少したが、輸入はアントワープ海上貨物事務所の拡張などの販売強化やNYKグループとの協調で順調に推移した。ロジスティクス事業は、英国のスウィンドン・ロジスティクスセンターでの倉庫増床など欧州各地で各種ロジスティクスサービスの拡充、品質向上を図り堅調に推移した。売上高は205億6400万円(4.0%減)、営業利益は8億2400万円(17.7%減)となった。

東アジアの航空輸出は、上半期に欧州向け事務機器の出荷増、米州向け緊急出荷の取扱いなどで堅調に推移したが、昨年10月以降の世界的な景気後退の影響を受け、日本、北米向け、アジア域内での荷動きが鈍化し始めた。航空輸入は、北京オリンピック開催に伴う一時的な取扱量減少の後、韓国での急激なウォン安進行の影響などで、日本発貨物を中心に大幅な取扱量減少となった。

海上貨物は、航空貨物同様に荷動きの鈍化は見られるものの、全体としては、輸出入ともに順調に推移。ロジスティクス事業では、中国蘇州の総合保税区にハイテク関連物流に対応する物流倉庫会社を設立、中国国内のグループ会社と連携してより高品質なサービス提供を行う体制作りを進めた。売上高は330億7900万円(6.0%減)、営業利益は16億6800万円(28.4%減)だった。

南アジア・オセアニアの航空輸出は、米国向け取扱量が昨年10月以降に急減したが、欧州向け事務機器・デジタル機器の取扱いが堅調で、通期では取扱量の落ち込みも僅かだった。航空輸入は、期初よりシンガポールへの半導体関連の大口輸送や北京オリンピック開催に伴う薄型テレビの購買需要の高まりなどで堅調だったが、10月以降に荷動きが急速に鈍化し、前年の第4四半期を下回った。

海上貨物は、シンガポールの海上貨物ゲートウェイ機能強化による新サービスの提供、オペレーション品質の向上に努め、液晶関連部材や電子部品、自動車部品のほか、建設用鉄鋼材の取扱いが増加。ロジスティクス事業は、部材保管・製品管理、非居住者在庫管理などの顧客ニーズに対応するため、フィリピンでパレットラックを利用した効率化の推進や、ベトナム、インドでの新倉庫稼動など積極的な展開を図った。売上高は269億5800万円(5.5%減)、営業利益は14億5900万円(16.1%減)となった。

次期は売上高1200億円(28.3%減)、営業利益29億円(36.6%減)、経常利益34億円(36.5%減)、当期利益19億円(75.4%増)と大幅な減収減益を見込んでいる。

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