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ヤマトHD/3月期の売上高2.1%増、当期利益27.8%減

2009年04月28日/決算

ヤマトホールディングスが4月28日発表した2009年3月期連結業績によると、売上高1兆2519億2100万円(前年同期比2.1%増)、営業利益557億2000万円(18.3%減)、経常利益578億2100万円(18.1%減)、当期利益255億2300万円(27.8%減)となった。

経営資源の最適配分への取組みとして、組織再編をヤマトグループ内外で積極的に行った。グループ内では、2008年4月に国内航空貨物サービス事業を独立させたのに続き、8月には貿易物流サービス事業、10月には物流業務に製品修理などの付加価値技術を加えた事業をそれぞれ会社分割した。一方、グループ外では、国内利用航空運送事業者9社とことし3月に業務提携を行い、配送網の相互利用によって航空貨物輸送事業の拡大をはかる体制を確立した。

デリバリー事業の宅急便事業については、法人客に対しては、ヤマトグループが宅急便で培った物流(LT)、情報(IT)、決済(FT)の3つの機能を組み合わせて物流にかかる課題解決の支援に努めた。個人客に対しては、多店舗化によるきめ細やかなサービス提供に加え、個人会員制サービス「クロネコメンバーズ」で、送り状発行や荷物問い合わせ機能を拡充するなど利便性向上を推進する事業展開を行った。

クロネコメール便事業は、印刷物の封入や封緘、宛名ラベル発行ソフトの提供など付加価値を加えた総合的な提案営業によって法人客を中心に取引拡大が進み、取扱冊数は堅調に推移した。生産性向上への取組みは、新たな仕組みの導入や業務量に合わせた適正要員の配置などが奏効し、着実に進展している。デリバリー事業の売上高は9978億9800万円(1.7%増)となり、営業利益311億2300万円(21.9%減)となった。

BIZ-ロジ事業は、ロジスティクスや国際貨物輸送をヤマトグループ内で完結させることで、物流を全体最適化する提案営業を積極的に展開した。販売物流サービスは、物流にかかる時間の短縮と費用の削減を実現するビジネスモデルが好評で、順調に推移した。

24時間365日稼動のオートメーション化された自動倉庫「オートピックファクトリー」を2008年10月に埼玉県三郷市、11月に千葉県習志野市、ことし2月に大阪市に開設するなど積極的な事業展開を図った。マルチメンテナンス事業は、製品が故障したときに回収依頼の受付から回収、修理、返送などの一連の業務をヤマトグループ内でワンストップで受託することで、ユーザーである消費者の利便性や顧客企業の満足度を高めるサービスとして好評だった。

需要拡大を事業機会と捉え、10月にマルチメンテナンス事業を「ヤマトマルチメンテナンスソリューションズ」に事業分割し、成長のスピードを高める事業展開を実施した。貿易物流サービスは、輸出梱包作業と書類作成、通関手続きを1ヵ所で同時進行することで輸出にかかる時間と費用を削減する「エクスポートファクトリー」の販売拡大に向け積極的に営業展開した。

景気の急速な減退による米国向けを中心とした輸出減少などが影響し減収となった。同事業の売上高は、主力である貿易物流サービスの不振に加え円高が影響し、929億4700万円(2.9%減)、営業利益31億9400万円(37.9%減)した。

ホームコンビニエンス事業は、付加価値の高い技術付き配送を全国展開するなど顧客に便利で快適な生活を提供する事業展開を積極的に図った。特に電化製品の据付け・設置を行うセッティングデリバリー事業は、全国ネットワークと技術力を強みに新規顧客を獲得するなど着実に市場への浸透が進んだが、傭車費などの増加がありました結果減益となった。

引越ソリューション事業では、ネットワークの強みを活かしたボックス単位輸送により法人向け引越への強化をはかるため、2008年10月に引越商品のリニューアルを行い競争力強化に努めたが、引き続き引越業界全体の市況低迷が影響したこともあり、利益が出なかった。同事業の売上高は533億1500万円(8.9%増)、費用面では、傭車費など下払経費が増加した結果、3億3900万円の営業損失となった。

E-ビジネス事業は、追跡情報を提供する「トレーシング」、お客様に安心を提供する「セキュリティー」、高品質かつ低価格さらに早期導入を実現する「パッケージ」をキーワードとして、多様化するニーズに的確に対応する提案営業を行った。急速な拡大が見込まれる「ネットスーパー」分野では、Webサイトを使ったシステム構築によりスーパー内の運営管理、配達、商品代金の決済など、ヤマトグループの複合機能を安価で簡単に導入できるビジネスモデルを構築し、積極的な営業展開を行った。売上高は322億7200万円(1.6%減)、費用面では、仕入原価など下払経費が増加した影響により、営業利益は60億5900万円(2.7%減)。

フィナンシャル事業は、商品配達時の代金回収業務から企業間物流決済への事業拡大を推進するなかで、顧客の要望に合わせたあらゆる決済手段への対応に取り組んでいる。この方針に基づき通販事業を手掛ける顧客に向けて、ネット総合決済サービス「クロネコwebコレクト」のパソコン版を2008年8月、モバイル版をことし3月に開始するなど利便性を訴求し、通販事業者の販売力向上につなげる事業展開を推進した。売上高は536億700万円(4.2%増)、費用面では、諸費用が増加したこともあり、営業利益は105億600万円(3.8%減)。

トラックメンテナンス事業は、車両の稼動を止めない24時間・365日の車両整備サービスの提供により、トラック・バス事業者を支援する事業展開を行った。また、2008年7月から管理車両の法定点検の確実な実施とその整備実績や履歴情報を会員企業向けにWebで提供する「車両管理システム」の運用を開始するなど、一層の利便性向上への貢献に努めた。

作業生産性の向上と利便性を追求する工場(スーパーワークス)の千葉工場を7月から本格稼動させたのに加え、11月に福岡工場、12月に福島工場、ことし3月に浜松工場を竣工して合計13拠点とするなど積極的な拠点展開をはかり、事業拡大を加速させた。売上高は、燃料販売の収入が伸びたこともあり175億5400万円(54.0%増)、先行投資による費用が増加したため、営業利益17億1100万円(16.9%減)。

2010年3月期の業績予想は、売上高1兆2570億円、営業利益560億円、経常利益580億円、当期利益295億円を見込んでいる。

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