日本郵船と新日本石油は9月2日、両社が共同開発した、太陽光エネルギーを動力源の一部とする自動車専用船「アウリガ・リーダー」(6万213トン)の竣工から7ヶ月間の実験結果概要を発表した。
アウリガ・リーダーは昨年12月19日の竣工後、ことし7月13日まで全207日間にわたる4航海を行い、太陽光発電システムの運転は2600時間、太陽光パネルの総発電量は同じ期間の家庭消費電力約17軒分に相当する3万2300kWhを記録した。
これは、東京(陸上)で発電した場合に比べて1.4倍程度の発電量で、東京よりも航海域での太陽高度が高く日射強度が強く、平均日照時間が長かったため、船の受ける風によりモジュールが冷却され、変換効率が上がったことなどが要因と見ている。
太陽光発電がアウリガ・リーダーの全動力に占める割合は0.05%で、ポンプや照明設備などの電力に占める割合も約1%と予測通りの結果となり、年間約13トン(14KL)の燃料節減、約40トンのCO2排出量削減が見込まれている。
一方、航海中でも船舶推進動力へ安定した太陽光発電の電力供給を実現するために、太陽光パネルの耐久性も検証中。これまでの航海では3時間の激しい雷雨や20時間の強風(約20m/秒)、48時間3~4mの波が連続するなど、悪天候に遭遇したがシステムは順調に稼動した。