三菱重工業は3月24日、鍛造によりエンジンバルブを傘（ヘッド）部分まで中空一体加工する技術を使い、軽量かつ高強度な「傘中空バルブ」の量産体制を整えたと発表した。
戦前から航空機エンジン向けに保有していた独自ノウハウを現在の技術で磨き上げ、最大2割の軽量化を実現するとともに、従来の同種の中空バルブに比べ、製造コストを大幅に抑えることに成功した。世界的にCO2の排出規制が高まる自動車向けを中心に、燃費向上の切り札として、2014年には月間150万本の供給を目指す。
同社の工作機械事業部は、すでに傘中空バルブ月間2万5000本の生産能力を確立しており、自動車メーカーなどにサンプル出荷を開始するとともに、多様なユーザーニーズを反映したカスタマイズ化製品の開発や性能評価試験などにも着手している。
