大日本印刷(DNP)は9月14日、ラベルプリンタで連続発行が可能な、業界最薄の金属対応UHF帯ICタグラベルを開発し、2011年1月に発売すると発表した。
ICタグのアンテナは、金属と密着した状態では電波を効率的に捉えることができなくなる。従来は、アンテナと金属の距離を開けて密着させないことで、電波を捉え通信を行っていたが、アンテナと金属の距離を保つための樹脂モールド品は金型が高価であることや、厚型の個片ラベルが高速加工に適しておらず低価格化が困難だった。
DNPは、導電材料を独自のパターンでラベル内に積層させることによって、金属に密着した状態でも、アンテナが電波を捉え通信を可能にした。開発したICタグラベルは、薄い材料を連続で積層することで加工コストを低減。
従来製品に対して約半分の低価格化を実現した。素材がフィルムであるため柔軟性があり、曲面への貼り付けも可能だ。ICへのデータエンコード機能を持つプリンタで連続発行することが可能なため、印字やデータエンコード作業負荷を大幅に軽減し、発行コストの低減も実現している。
ロット10万個で、1個100円(税抜き)。
UHF帯ICタグは、対象物への取り付けが容易で低コストなラベル型が主流となっている。従来のラベル型UHF帯ICタグは、金属に貼り付けた場合に、通信がほぼ不可能になるという課題があった。
ICタグと金属の距離を離して金属の影響を低減させる目的で、樹脂モールド品や厚型の個片ラベルに加工した製品は、ラベル型の本来のメリットである連続印字やデータエンコードができないという問題がある。DNPは、独自の加工技術を活かして厚さ0.5mmという業界最薄の金属対応UHF帯ICタグラベルを開発した。