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JILS/物流システム機器の総売上金額30.5%減の2706億5200万円

2010年09月28日/調査・統計

日本ロジスティクスシステム協会(JILS)が発表した2009年度物流システム機器生産出荷統計(概要版)によると、物流システム機器の総売上金額は、2008年度比30.5%減の2706億5200万円となった。

売上件数も2008年度の5万9857件から5万5229件へと減少(7.7%減)した。2009年度は前年度のいわゆるリーマンショックによる景気低迷の影響から、設備投資の抑制傾向が続いたため、物流システム機器の出荷が全般的に低調だった。

2008年度は好景気の時期に獲得した受注残が存在したため出荷の落ち込みは限定的だったが、その後、受注残が消化されるとともに、厳しい受注環境の影響が顕在化することとなり、売上金額が大きく落ち込むことになった。

とりわけクリーンルーム向けの売上金額の落ち込みが大きく、総売上金額の低下の大きな要因となった。業種別に見ると、「電機・精密機器」「輸送機器・部品」への売上の落ち込みが大きかった。

自動倉庫全体では、売上金額は2004年度以降高い伸びだったが、2007年度以降は減少に転じている。2009年度は前年度の1018億5100万円から663億2900万円へと大きく減少(34.9%減)した。

機種別にみると、パレット用自動倉庫(ユニット式)の落ち込みが大きく、売上金額は551億1600万円から311億1800万円へと大きく減少した(43.5%減)。クリーンルーム向けがほぼ半減し、落ち込みの主因となっている。基数(パレット数)も109万1000から81万8000パレットへと大きく減少(25.0%減)した。

台車系は、2007年度まで高い伸びを示していたが08年度から減少に転じ、09年度は売上金額が、609億600万円から278億7000万円へと大きく減少(54.2%減)した。基数も4464台から1659台へと大幅に減少(62.8%減)した。また、売上件数も870件から600件へと減少した(31.0%減)。

コンベヤ系は、3か年連続での減少となり、売上金額は594億3000万円と600億円を割り込んだ。なかでも輸送機器関連への売上比率が高いハンガー式コンベヤの減少幅が大きく、売上金額は72億7500万円から33億1600万円へと半分以下に減少(54.4%減)した。

一方、食品・医薬、卸・小売、倉庫・運輸等への売上比率が高く、出荷先もほとんど国内であるケース搬送用コンベヤは、相対的に落ち込みが小さく、345億4700万円から318億700万円へと7.9%減にとどまった。

仕分け・ピッキング系は、物流システム機器全体の中で唯一、売上金額が増加した。なかでも仕分機は、基数が206台から248台へと大きく増加(20.4%増)しており、売上金額も、132億7900万円から176億4500万円へと大幅に増加(32.9%増)した。件数も112件から190件へと増加(69.6%増)した。

仕分機は卸・小売、倉庫・運輸等への出荷割合が高く、これらの産業が、電機・自動車等の輸出産業よりも相対的に堅調であったことが背景にあると考えられる。デジタルピッキング表示器も、売上金額が59億4100万円から75億万円へと増加(26.2%)している。

回転棚・移動棚は、2003年度以降一貫して上昇を続けてきたが、2008年度から減少に転じている。2009年度も、売上金額は2008年度の132億4100万円から127億2600万円へと減少した(3.9%減)が、他の機種と比べると相対的に堅調だった。

棚は、3機種とも売上が減少しており、売上金額は298億9700万円から231億1100万円へ減少(22.7%)している。件数で見ても、3万1344件から2万7856件へと減少している(11.1%減)。

パレタイザ/デパレタイザは、2008年度まで連続して売上高が増加していたが、今年度は減少に転じた。2008年度の123億4100万円から2009年度の98億4200万円へ、大きく減少している(20.2%減)。基数でみても、864台から720台へと減少している(16.7%減)。

全機種の売上金額が3割程度減少していることを考慮すれば、落ち込みは限定的であると見ることもできる。

垂直搬送機は、売上金額が100億1100万円から88億5400万円へと減少した。減少幅は11.6%減であり、他の機種と比べると落ち込み幅は少ないが、2005年度以降4か年連続でのマイナス。05年度の売上金額130億4200万円と比べると67.9%の水準に落ち込んでいる。

物流システム機器の情報処理や在庫監視を行う、一般的には制御系の機能を含むコンピュータソフト・ハードと、WMS(倉庫管理システム)からなる、コンピューターをみると、全体の売上金額は313億6500万円から250億4600万円へと減少(20.1%減)している。

海外向け売上金額は、2008年度の1079億1800万円から、2009年度の367億4100万円へと大きく減少した(66.0%減)。

海外向けは従来よりクリーンルームの割合が高いが、2009年度にはクリーンルーム向けの海外売上高が758億1000万円から255億6800万円へ落ち込んだ(66.3%減)ことにともない、海外向けの売上金額の大幅な低下につながった。

海外向け売上金額では、自動倉庫が全体の47.2%、台車系が26.6%、コンベヤ系が12.5%を占め、この3機種でほとんど(86.3%)を占める。

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