(株)神戸製鋼所と三菱マテリアル(株)は、国内および東南アジア地区における銅管事業を統合することで基本合意した。
両社は、2004年4月1日にそれぞれの銅管事業を分離し、神戸製鋼が55%、三菱マテリアルが45%を出資する統合新会社を設立し、連結ベースの売上高で約340億円、国内では約35%のトップシェアを持ち、また東南アジアにおいても約30%のシェアを有する、アジア地域でトップクラスの銅管製造・販売会社が誕生する。
銅製品において、銅管は半導体リードフレームなどの電子部品用素材として使用される条、金具・バルブ類や通信・IT機器部品などとして使用される棒と並ぶ大きな需要分野の1つ。
その年間市場規模は、世界で約1 500千トン、日本では約130千トンで国内向け伸銅品出荷量の約15%程度を占めている。
熱伝導性が高く曲げ加工性が良いなどの素材特性を活かし、国内で年間約90千トンが空調・冷凍・冷蔵機器などの熱交換器用に広く使用されている。
中でも、エアコン用には、内面に溝を付けることで表面積を大きくし、熱交換性能を高めた銅管(内面溝付管)が多く使用されている。
エアコンの世界需要は今後も年率4%の成長が見込まれており、これに伴ない世界市場において銅管需要も増加していくものと考えられている。
国内銅管市場は2001年頃から本格化した日系エアコンメーカーのアジアへの生産拠点の移管に伴ない、エアコン完成品と熱交換器の輸入(所謂「エアコン持帰り[アウトイン]」)が増加したことで、需要が減少(銅管国内向け出荷量/1991年ピーク時204千トン→2000年157千トン→2002年134千トン)している。2002年度の設備稼働率は70%程度という設備過剰状態にある。
逆に、東南アジア市場は、1980年代後半より欧米向けエアコン輸出基地として大きく成長を遂げ(エアコン生産台数1998年4 400千台→2002年5 600千台)、今後も年率5%程度の伸びが期待され、域内の銅管市場も中期的に安定成長が見込まれている。
今回の事業統合は、国内市場の縮小と東南アジア市場、更に将来的には中国市場の拡大に対応するべく、個別企業の枠を超えて、設備の統廃合・新設の検討を含んだ、アジア市場における最適な生産・販売体制の確立を狙いとしている。
国内においては、国内空調分野の需要減少に適応した生産体制の最適化と、重複する間接部門の合理化を図り、非空調分野での需要開拓を加速する。
また、東南アジアにおいても最適生産体制を構築し、日系エアコンメーカーに対する納入実績と、最新鋭の生産設備とを組み合わせることにより、今後の市場拡大に備える。
このたびの事業統合により誕生する新会社は、神戸製鋼の金属加工技術と三菱マテリアルグループの合金素材技術を併せ持つことで、生産・売上規模、品質・コスト競争力、技術開発力、製造技術などあらゆる面において、アジア市場における銅管製造・販売のリーディングカンパニーを目指し、顧客のニーズに応えていく。
■新会社概要
社名:未定
本社:所在地未定
資本金未定(資本金+資本準備金:100億円程度)
出資比率:神戸製鋼55%、三菱マテリアル45%
代表者:未定
従業員数:国内370名程度、海外グループ680名程度
生産拠点:神奈川県秦野市、埼玉県北本市
生産品目:
空調用銅管(内面溝付管、平滑管、異形伝熱管)
建築・給湯用銅管(平滑管、樹脂被覆管)
その他一般銅管
生産規模:2007年度国内5 000トン/月程度、海外グループ3 000トン/月程度を目指す。
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神戸製鋼所、三菱マテリアル/銅管事業を統合で合意
2003年11月30日/未分類
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