日本インフォア/WMSを統合化したサプライチェーン実行系ソリューションへ

2011年10月26日 

日本インフォア・グローバル・ソリューションズは2011年10月、WMS(倉庫管理システム)の新バージョン「Infor10 SCE (Supply Chain Execution)」を販売開始する。

グローバルなWMS(倉庫管理システム)市場で、トップの「Infor WMS」を提供してきたが、より統合した実行系物流ソリューションとして、製品名称も新たにリリースしたもの。

同社エンタープライズソリューション・ビジネスコンサルティング本部の村上勇人氏(ビジネスコンサルティングマネージャー)に、Infor10 SCEの内容について伺った。

――Infor における新WMSの製品戦略は

今回、インフォアは、WMSだけではなく、全インフォアの基幹業務アプリケーションにおいて、“Infor10”のブランディングのもとに、大規模な統一した製品戦略を打ち出しました。

“Infor10”のブランド・メッセージは、より顧客の業界に特化した業務ソリューションを提供する事で、お客様の要件に対して、必要十分な解決を、より素早く提供する事を可能にしました。

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それを支える基盤として、Infor Workspaceと呼ばれるユーザエクペリエンスのプラットフォーム技術と、Infor IONというアプリケーションの統合連携を行うための技術を提供しています。

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――具体的な、製品内容は?

“Infor10”の製品戦略に基づいて、Infor WMSは、リリースします。

まず、製品名称をInfor SCM Warehouse Management 9.xから、Infor10 SCE (Supply Chain Execution) 10.0 に変更します。

製品構成を従来のInfor WMSと、オプションとして別ライセンスで提供していたInfor Labor Management、Infor 3PL Billing、それに新しく輸配送(TMS)モジュールとして、運賃計算、配送管理機能を統合しました。

さらに、ライセンスについて、従来、サイトライセンス+ユーザライセンスの形態を取っていましたが、ユーザライセンスのみに、シンプルにしました。

今後、Infor10インフラ機能強化の中で、情報管理機能が付加されて行く予定です。

従来のInfor エンド-エンドSCMソリューションとして提供していた製品群を、大きく二つの製品、計画系(SCP)と実行系(SCE)に統合しています。

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サプライチェーンのエグゼキューションという領域に対してこれらの機能を総合してこそ、本当の意味での最新のWMS要件に対応する事が出来ると考えています。

――顧客にはどのような、価値・効果を想定していますか?

Infor WMSの時から言っていた事ですが、サプライチェーンにおける、複雑化して行くいろいろな問題に対して物流センターを起点にした問題解決という事を、一つの大きな方向として考え、提言してきました。

今回の新製品の展開は、まさに、その方向の延長線上だと考えています。

サプライチェーンの問題に対して、実行系の観点から解決出来る手段を一元的にまとめて提供することで、お客様は、必要な機能を自由に選択して使う事が出来るという点で、Infor10で目指しているソリューションの充実性とスピード化が可能となります。

インフォアのSCEを選択することで、必要に応じた解決を、ユーザライセンスの追加のみで可能になるという事です。

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――日本での導入ターゲットは?

従来のInfor WMSのターゲットと、基本的には同じと考えています。

メーカー、3PL、流通(ディストリビューション)が基本的なターゲットと考えていますが、以下の国内での実績例が示すように、電機、消費財系、食品、医薬関係、自動車などのトップクラスのメーカーに幅広く導入して頂いており3PL、卸、小売の分野にも着実に実績があります。

今後も、同様な業種に更に魅力的なソリューションの提案が出来ると考えています。

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――Infor10 SCEの特長について、簡単にご説明をお願いします。

■短期導入

まず、機能の充実した汎用WMSで迅速にシステムの導入をする事です。

WMSは、レガシーな仕組みからの刷新、新物流センターへの移設、M&A、新規ビジネスへの対応、効率化等、引き続き需要は強いと見ています。

先ほど、説明したように、統合物流ソリューションとして、Infor10 SCEという戦略に転換していますが、そのコアのWMS機能単体での引き合いも、引き続き強いと見ています。

Infor10の製品戦略で示している通り、パッケージとして、顧客要件を満たし、導入企業にとってのカスタマイズ、要件設定などが大幅に改善された結果、導入稼働までが短期間で対応できる面が、最新のパッケージの重要な特徴の一つだと思っています。

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■汎用WMSによる共通WMSプラットフォーム構築し、ITインフラ基盤を強化

短期導入ともう一つ大きな動向として、共通化、センター化の要望があると考えています。レガシーシステムからの移行の場合は、元々がセンター志向の構成になっている場合も多いので、必然的にセンター志向のWMSの構成が望まれます。

もう一つは、倉庫単位に導入していたWMSを統合して、センター化するケースがあると考えています。

企業のIT化は、ネットワークインフラの進化により、センターに集約して、集中管理する事が、セキュリティ管理、障害管理、システムの柔軟性等、様々な理由で、必然の要件といえます。

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■グローバル・ロジスティクスへの対応

企業のグローバル化の勢いは、ますます、大きくクローズアップされていますが、必然的に、グローバル・ロジスティクスの要件も緊急になっています。

Infor WMSは、グローバルな物流オペレーションをサポートするWMSとして、多言語対応、タイムゾーン対応、グローバル在庫の可視化、グローバル保守対応等、業界で比類ない製品です。

一方、充実したクロスドック機能と在庫型機能を応用した先進のグローバルロジスティクシステムの構築されている例も、米国において先進例が実現していますので、今後、アジア地域において、似たようなソリューションの実現に進むと期待しています。

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■生産性強化の仕組みを実装した倉庫オペレーションの構築

Infor WMSのタスクマネジャは、製品の開発当初から実装されている基本的アーキテクチャですが、近年、機能強化の著しい領域になります。

倉庫業務のシステム構築にあっては、マテハンを導入する流れと、コストの安い労働力によるフレキシブルな運用との、大きく2極があり、また、より柔軟性を考えれば、それらの混合のパターンも多くの場合、見受けられます。

自動化、システム化の観点からは、人手ベースの業務運用においては、WMSによる生産性管理の仕組みが重要になります。システムが作業指示データを作成し、作業者はシステムからの指示に従って作業を行なう、所謂、システム主導の作業形態とも呼ばれるものです。

無線端末による庫内作業により、倉庫内のリアルタイムなオペレーションを可能にして来ましたが、一歩進んで、指示の割当と操作の順番をコントロールする事により、人手による作業のシステム化が現実的なソリューションとして簡単に導入出来るようになっています。

倉庫の生産性管理、労務管理のレベルが標準のWMSにおいて、高度なレベルにまで実装されています。

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■3PLビジネスへ特化した請求処理の提供

3PL業務に特化した機能として、請求処理モジュールを提供について、従来、WMSのコア機能として実装していましたが、いろいろパフォーマンス上の問題もあり、別サーバにて運用出来る仕組みとして、実装し直しています。

3PL業務向けの請求処理に対する強力なソリューションです。国内で標準的に必要になる3期制の保管料計算には、もちろん、対応しています。今後、アクティビティベースの請求処へと機能強化されていく予定です。

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■輸配送管理機能の提供

TMS(輸配送管理)機能として、運賃計算機能、運賃計算に基づく配送ルートの最適化、運送業者への配送手配、配送業者がアクセスするためのアクセス、EDI機能を提供します。

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■情報管理、分析機能の強化により、ビジネスへの貢献を明示

情報管理機能は、WMSの中の帳票機能以外に、Business Vault(ビジネス情報サービス)として、Infor10 IONに基づく仕組みを提供しています。

Infor10 Workspace 、Infor10 BI、Analytics 、それを拡張機能するツールとして、Infor10 BI製品を利用して、業績管理ソリューションの構築が出来るプラットフォームを提供しています。

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■バージョンアップ対応により効率的な運用、TCO削減を重視

Infor10 SCEは、Java、SOAという標準的IT技術にもとづいた強力なテクノロジープラットフォーム上に構築されており、将来的にみて、安定的に、ローコストな維持管理が出来る仕組みとなっています。

従来、よく問題になっていましたが、導入時にカスタマイズしたために、後で、バージョンアップが出来なくなるという問題がありました。

この点に関しては、特に、カスタマイズ方法のルール化を徹底しています。製品のベース機能は変更しないで、その差分として、機能変更を行なうように徹底する事にしています。

これにより、将来、バージョンアップ時に、スムーズな移行が可能になります。今後も積極的に業種固有要件をベースに取り込んで行く予定です。

この点を考慮したカスタマイズ、導入をする事により、お客様は、自前でソフトウェアを開発、維持する費用を削減し、逆にその分をメーカーの開発費用に期待出来るというメリットを享受できるようになります。

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――今後の展望については

ソリューションとしてのWMSの名称は、国内でのパッケージ導入から10年を経て、充分知名度のあるものになったと思いますが、今後、ソリューションとしてのSCEという名称が一般的になるかどうかで、ある意味、成否は見えてくるのでは、とも思っています。

インフォアとして、Infor10の製品戦略として、“Specialized by Industries”、“Engineered for Speed”を上げていますが、Infor10 SCEは、サプライチェーン実行系に特化した、お客様のサプライチェーンの問題についてスピードを持って解決する、サプライチェーン実行系ソリューションという事になります。

レガシーWMSシステムのリプレース、物流の戦略的な見直しによる、物流センターの移転、集約、グローバル展開、新規ビジネスの展開など、まだまだ、WMS周りのSCMの実行系へのニーズは、大きなものがあると感じています。

これらの動きの中で、Infor10 SCEは、お客様がビジネスで勝ち組になるために必要なスピード感とコスト感を達成するための、強力なツールだと思っています。是非、一度、ご検討頂ければと思います。

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