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CBRE/賃貸物流施設のまとまった空室は希少

2012年07月31日/調査・統計

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シービーアールイー(CBRE)は7月31日、賃貸物流施設の市場動向(2012年第1&第2四半期)を発表した。

大型マルチテナント型物流施設状況については、今期の空室率は、前四半期から0.9ポイント低下の3.6%となり4期連続の改善となった。今期は約1年ぶりの供給となる2棟が竣工したが、うち1棟が満室稼働であったことや、千葉内陸部で空室が長期化していた既存物件の稼働率が大きく上昇したことが、全体の空室率改善に繋がった。

既存物件からの退去テナントは少なく、依然高稼働を維持しているため、まとまった空室は希少となっている。

賃料水準については、大型物件に対する品薄感が鮮明であるため、全般的に上昇の兆しが見られ始めている。

今後の大型マルチテナント型施設の供給は、2012年8月に「プロロジスパーク座間2」(神奈川県座間市)、2012年10月に「ロジポート北柏」(千葉県柏市)の供給が予定されている。2013年以降については、供給量が増加する見込みであり、特に常磐道三郷ICから柏IC及び、東名道厚木ICから相模原エリアでは供給が集中することが予想される。

市況の改善から大型施設開発のための用地物色の動きは続いており、今後新たな計画発表が出てくる可能性もある、としている。

東京都の物件については、今期は、2月に初の物流施設開発事業となる三菱地所と三井物産の共同開発によるナカノ商会専用センター「ナカノ商会辰巳センター」が竣工した。

また、1973年に竣工した大田区平和島の東京流通センターB棟の建て替えが発表され、2017年に竣工する予定となっている。東京湾岸部は古い物件が多く集積するため、今後もストック更新の動きが増えていく可能性がある。

インフラ面では、東京港臨海道路(東京ゲートブリッジ)が2月に開通し、江東区湾岸部~大田区平和島へのアクセス性は向上したが、企業移転が活発化する等の大きなインパクトは今のところ見られない。

今期の東京都における全体の平均募集賃料は対前期比で-0.2%であったが、中大型施設の平均募集賃料は同3.7%と上昇を示した。大型物件が不足しているため、賃料に上昇機運はあるが、大きな改善には至っていない、と分析している。

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