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経産省/流通業にサプライチェーンの効率化等で報告書

2012年09月12日/SCM・経営

経済産業省は9月12日、産業構造審議会流通部会が「新たなライフラインとして生活と文化を支え、地域に根付き、海外に伸びる流通業」と題した報告書を公表した。

報告書では、第2章「強くしなやかで、豊かさと安心をもたらす流通の在り方」で、製・配・販のサプライチェーンの効率化を挙げている。

すでに昨年5月に発足している「製・配・販連携協議会」が返品削減や配送の効率化等に関する取組や検討を行い、課題の指摘と、解決に向けた提言を行っている。

通常、製・配・販の各社は、サプライチェーン上で一つの商品をリレーしていく関係にありながら、価格交渉などが優先され、協働してサプライチェーンの効率化に取組む事例は必ずしも多いとは言えない状況にあった。

このような製・配・販の各事業者が、情報連携や透明で合理的な取引の推進のため、自主的に一つのテーブルについて議論を行う本協議会の取組は非常に貴重である、としている。

製・配・販の情報交換を円滑化する「流通BMS」では、普及により、サプライヤー側では小売ごとに対応した複数のシステムを保有する必要がなくなる。また、従来型の通信手順よりも通信速度が速くなるので、発注・納品・出荷等の様々な情報を製・配・販の各事業者の間で迅速にやり取りすることが見込まれる、とし、さらなる導入に努めることを期待している。

製・配・販のデジタル・インフラでは、平常時における役割と重要性について記載。製・配・販連携協議会でも、デジタル・インフラが平常時の生産・在庫管理・調達の最適化を実現し、サプライチェーン・マネジメントの向上につながるとして本年5月25日の同協議会の総会・フォーラムにおいて、デジタル・インフラの基本的な考え方についての報告が行われている。

デジタル・インフラは災害時に役立つと同時に、流通過程における在庫・販売状況を個別商品単位で把握できる仕組みとすれば、平常時においてはサプライチェーン・マネジメントの効率化を通じて製・配・販の各事業者・消費者等にさまざまなメリットが生じると考えられる。

小売事業者にとっては、地域毎の販売動向を捕捉することによって、店舗での最適な品揃えや効果的な販促計画の立案につなげることが可能となる。また、サプライチェーンの効率化によって、店頭に納品される商品の価格抑制や鮮度の向上が期待される。

製造事業者にとっては、新商品等を発売した際に、店頭在庫・流通在庫の推移を捕捉することにより、増産・減産等の精緻かつ迅速な生産調整・在庫調整が可能となり、過剰在庫・返品等の削減が可能となるものと考えられる。

社会にとっても、サプライチェーンの効率化に伴い、過剰生産・在庫・配送頻度の抑制、返品・未出荷廃棄の削減が実現し、流通過程における食品ロスの抑制、エネルギー効率の改善や温室効果ガスの排出削減等につながるものと考えられる、としている。

詳細な内容は下記URLを参照。
http://www.meti.go.jp/report/downloadfiles/g120911aj.pdf

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