商船三井は1月4日、武藤光一社長の年頭メッセージを公表した。
未曾有のドライ市況・タンカー市況の低迷で、フリー船隊が大幅な赤字運航に陥っている。
2012年の新造船竣工量は過去最大であった前年を上回るペースで推移したのに対し、中国の経済成長の鈍化によって資源・エネルギーの海上荷動きが伸び悩んだ結果、船腹需給ギャップが拡大し、海運市況が歴史的低水準で長期間推移した。
市況高騰時には大幅な利益を上げたフリー船隊も、損失の発生を余儀なくされ、会社全体の損益は赤字に陥った。
近年大幅に規模を拡大してきた中国の造船所などが操業維持のために今後も新造船をハイペースで建造し続けた場合には、市況回復の足枷となる可能性がある。
今後の対策として、赤字の元凶となっているフリー船のマーケットエクスポージャーを縮小する必要がある。できるだけ貨物を取ってマーケットエクスポージャーを縮める努力が必要。
フリー船の隻数そのものを削減するために、スクラップ、売船、返船、竣工遅延など、取引先からの協力を得ながら、できることをすべて実行して、市況リスクへのエクスポージャーを抑え、耐性を高めることが必要。
これまでの営業活動のスタイルから新たなビジネスモデルへの変革も必要で、海外のシッピングセンターで顧客志向の営業展開を急ピッチで進める。