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国交省/コンテナ運搬船の分断・漂流・沈没事故、原因未確定

2013年12月17日/国際

国土交通省は12月17日、大型コンテナ運搬船「MOL COMFORT(バハマ船籍、8000TEU 級)」が、6月17日にインド洋上で分断・漂流・沈没した事故を受けた「コンテナ運搬船安全対策検討委員会」が中間報告書を発表した。

<事後時のコンテナ船(商船三井提供)>
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事故船は、風力7の南西風有義波高5.5mのインド洋上を、シンガポールからサウジアラビアジェッダ港に向けて、機関回転数79rpm、速力約17ノットで航行中の2013年6月17日07時45分(世界時+5時間)頃、船体中央部に亀裂を生じ、船艙内へ浸水、自力航行不能となった。

乗組員26名は救命艇で自船を離れ救助されたが、船体は中央部で分断し漂流開始、その後公海上(水深 3000~4000m)で沈没した。事故船上の Voyage Data Recorder、ログブックとバラスト漲水履歴などの記録類を沈没に伴い滅失した。

中間報告書には事故時の状況から船体折損の起点の推定や、同型船の安全点検結果や船体強度評価、作用荷重に関する分析、事故発生シナリオの想定した。

しかし、折損事故の原因を確定に至っていないため、荷重と強度に関するシミュレーション計算に伴う不確実要因を含め、調査結果とその評価を検証するため、同型船の船体作用荷重の実船応力計測などを行い、折損事故の再現を確認し、事故の再発防止を図る安全対策を策定する計画。

事故の再発防止に関する安全対策の対象船範囲を検討するため、事故船とは異なる設計の大型コンテナ船も、船体強度や船体への作用荷重に関するシミュレーション計算、作用荷重に関する実船応力計測を予定している。

就航船の当面の安全対策については、事故シナリオの推定と安全対策の策定に向けた途中段階だが、事故船と同程度以上の積み荷数(20フィートコンテナ換算で8000個積以上)を有する就航中の大型コンテナ船を目安に、当面の間、安全対策の一環として推奨項目を掲げている。

推奨内容は、復原力確保のためのバラスト漲水が不要な大型コンテナ船(概ね船幅45m以上、8000TEU 積み程度以上)について、可能な範囲での船底外板の安全点検を実施し、座屈変形の有無について確認する。

点検において座屈変形が存在した場合は、適切な対策について船級協会へ相談する。

国際海事機関におけるコンテナ貨物の船上積載前の重量把握の強制化に関する議論との関連において、特に8000TEU級以上の大型コンテナ船では実運航時の積み付け計画上の最大静水中縦曲げモーメント(ホギング)は、かなりの頻度で許容積載量程度になり得るとしている。

このため、荷主がコンテナ貨物の実重量を積載前に正確に情報提供することが、大型コンテナ船の静水中曲げモーメントの不確実性を減ずる有効な安全対策として推奨している。

注意事項として減速などの荒天回避行動をあげている。

■「コンテナ運搬船安全対策検討委員会」中間報告書
http://www.mlit.go.jp/common/001022351.pdf

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