富士通研究所は、複数の長期的な予測シナリオに基づいて計画を逐次修正し、急激な需要の変化に対応可能なサプライチェーン・マネジメント向けのモデル予測制御技術を開発した。
近年、ビッグデータの活用により需要予測の精度向上が可能となってきたが、例えば特売セールや新商品キャンペーンなどの要因で需要に変化が起きることも多く、予測の不確かさ・不確実性を前提とした生産数量、発注数量などの意思決定が求められている。
今回、複数の予測シナリオに基づいて一定期間の先読みを考慮したモデル予測制御技術により、最適な発注・生産計画の立案を実現した。
予測モデルそのものを修正することで、急激な需要の変化に対応した精度の高い計画立案も可能となる。
本技術により、例えば小売店業務の需要予測に基づく在庫最適化が可能となり、急な需要の変化が発生しても利益を最大化する発注計画の立案が可能。
実データにて検証を行ったところ、約90店舗のケースで約60週間分を検証したところ、1店舗以外すべての店舗で利益が増加した。
従来の需要予測に基づいて安全在庫量を見積り、発注量を決定する方法と比較すると、全店舗の平均で約16%利益が改善することを確認した
開発したモデル予測制御に基づく最適化技術は、今後、予測・最適化プラットフォームへ搭載し、ビッグデータに関する製品・サービス群を体系化した「FUJITSU Big Data Initiative」のオファリングのメニューとして適用していく。
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