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ラサール/不動産投資市場のサイクルは拡大後期へ

2015年07月29日/調査・統計

ラサール不動産投資顧問は7月29日、「グローバルにおける不動産投資戦略2015」中間説明を行った。

グローバル不動産市場の動向では、2015年下半期に向けて世界経済は回復基調を維持しているとし、不動産の主要市場の大半で不動産価格は上昇を続け、不動産ファンダメンタルズの堅調な回復が見られるとしている。

<中嶋康雄CEO>
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中嶋康雄CEOは「不動産の価値は3つのフレームワーク「マクロ経済、不動産のファンダメンタルズ(床の需要と供給)、キャピタルマーケット(お金の需要と供給)」で見ている。また、不動産はさまざまなサイクルに左右され、不可逆の変化トレンドとして、DTUがどう変わるかを見ないといけない。Dは人口動態、Tはテクノロジー、Uは都市化(アーバニゼーション)。物流はTのテクノロジーで、これにはインフラテクノロジー等も含まれる。物流倉庫も在庫をどうするのかで分散、集中を繰り返してきた。このサイクル・トレンドを見極め、波に洗われない物流不動産投資が重要」と話した。

<出所:Lasalle investment Management、2015年6月>
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レポートでは、ラサールは、さまざまな国の資本市場サイクルの比較を行った結果、資本市場は8~12年間上昇を続けたのち急落するという傾向を見出した。これに則れば、現在グローバルのほぼすべての不動産市場が資本市場回復期の6年目に突入しており、上昇傾向はあと数年続くことが予想される。このことは、そのあとに続く資本価値下落の段階までの中間点を過ぎていることを意味する。

資本市場回復サイクル後半の兆候が顕著に見られる中、ラサールの投資戦略チームは、不動産ファンダメンタルズの改善がリターン・プレミアムを生み出すという、半年前と比べ強気な見通しを立てている。

資本価値の上昇傾向が数年続いた後、下落するというサイクル予測から、2015年下半期に割安な投資機会を発掘しづらいと言える。このサイクルに対するベストな対処法としては、低金利のローンだとしても、借入比率を慎重なレベルに抑えることが望ましい。

また、サイクルトレンドが下降に転じても、長期トレンドを追求することによってリターンを見込める投資を選択することである。資本市場が上昇サイクル後半に入る中、投資家は資産クオリティでの妥協は避け、優良でテナントの需要に厚みのある不動産にこだわり続けることが必要である。なぜなら、景気後退時、賃貸市況が悪化する場合は、ロケーションやクオリティの劣る物件群が最も大きな価値の下落に見舞われるためであるとしている。

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