長崎県とヤマト運輸とヤマトグループ各社は3月24日、離島(五島、壱岐、対馬、以下離島)の産品の国内での販路拡大を通じて、地域活性化や雇用創出を図るため、ながさき「しまねこ」プロジェクトに関する連携協定を締結したと発表した。
ながさき「しまねこ」プロジェクトの主な取り組みとして、収穫(漁獲)された離島の旬の食材を、関東へ翌日午前中に届ける。
さらに決済や受発注システムの構築、生産者と飲食店をマッチングさせる商談会の開催など、県とヤマトグループが連携し、生産者や飲食店などが、より高付加価値のビジネスを展開できるよう支援する。
これまで、関東は翌々日の配達エリアだったが、ヤマトグループの陸海空の輸送ネットワークをシームレスに組み合わせ、翌日午前中に届ける。
離島という立地条件を希少価値という付加価値に変え、鮮度を保持したまま大消費地の関東の飲食店などへ届ける。
生産者は出荷量がまとまりにくい多品種少量生産の産品を、多頻度小口輸送できるため、配送車両などをチャーターするのに比べ低コストで販売先へ納品できる。
4月1日に、事業者向けに「しまねこECサイト」を新設し、離島の旬の食材を産地直送する。
受注管理から配送、決済など通販業務に必要なサービスを提供することで、生産者は安心して販路を拡大でき、より品質の高い産品の生産に専念できる。
さらに、牡蠣やパプリカなど約150の産品を手軽に注文でき、飲食店などは特色ある食材を使ったメニュー開発で、他店との差別化を図ることができる。
新たなビジネスモデルを創出し、生産者の販路拡大や、飲食店などの集客力向上を支援する。
県は2月10日に東京で飲食店オーナー向けの商談会を開催し、約200社の事業者が参加した。さらに、3月7、8日に五島、3月14、15日に壱岐・対馬へ、合計約30名のバイヤーやレストランのシェフを招待し、試食会ツアーを開催し、参加者からは「特色ある新鮮な食材の活用で、メニューの幅が広がる」など高い評価を受けた。
県とヤマトグループは連携し、生産者に代わって、商談会やツアー参加者へフォローコールや旬の食材を提案するなど、産品の販売促進を支援する。
今後、長崎県とヤマトグループは、相互の連携を強化し、離島の産品を当日輸送するなど、新たな輸送ルートの構築を目指す。
観光支援や地域の見守りなどの包括連携についても協議し、島民へのサービスの向上を図っていくとしている。
■「しまねこECサイト」4月1日開設
http://nagasakishimaneko.com/
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