ヤマト運輸と産交バスは10月3日、過疎化や高齢化が進む中山間地域でのバス路線網の維持と物流の効率化による地域住民の生活サービス向上を目的として、熊本県の県南に位置する人吉市~五木村を結ぶ路線バスで「客貨混載」を開始したと発表した。
<荷台スペース サイズ:縦230cm×横75cm×高さ110cm>
産交バスとヤマト運輸は相互連携を図り、バス路線網の維持と物流の効率化による地域住民の生活サービス向上を目的に路線バスで宅急便を輸送する「客貨混載」を開始した。
宅急便を積載するため、中央部に荷台スペースを確保した路線バスを計2台導入し、客貨混載専用のバスと分るように「くらしハコぶバス」と銘打ったラッピングを施した。
ヤマト運輸のセールスドライバー(SD)が、五木村と相良村で集荷した宅急便を相良村のバス停(林業総合センター前)で人吉市行きの路線バスに積み込に、産交バスの人吉営業所で産交バスのドライバーからSDに宅急便を引き渡す。
SDが五木村と相良村の顧客に配達する宅急便を産交バスの人吉営業所で五木村行きの路線バスに積み込み、相良村のバス停(相良村運動公園)でそれぞれの地域を担当するSDに引き渡す。
客貨混載により、地域の顧客は地域のバス路線網が維持され、安定的に路線バスを利用できることで、病院やスーパーなど多様な施設へアクセスでき、生活基盤の維持・向上につながる。
SDが五木村と相良村に滞在できる時間が増えるため、当日発送の集荷締め切り時間が15時から17時まで2時間延長されるなど、宅急便をより便利に利用できる。
産交バスは、路線バスの空きスペースで宅急便を輸送することで、バス路線網の維持につながる新たな収入源を確保することができる。
ヤマト運輸は、五木村と人吉市間のトラック走行距離が60km削減(3往復180kmから2往復120km)になり、CO2排出量の削減にもつながる。
五木村と相良村を担当するSDが地域に滞在する時間が増えるため、顧客からの要望に対して柔軟に応えることができる。