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DHLサプライチェーン/3D印刷を提供する物流会社と提携するメリット強調

2016年12月15日/SCM・経営

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DHLサプライチェーンは12月13日、「3D印刷とサプライチェーンの未来」と題した最新版の動向調査報告書を発表した。

過去数年にわたり、3D印刷のハードウェアとソフトウェアの両面についてさまざまなテストを実施し、製造とプライチェーンの戦略を再定義する可能性のある応用例を特定した。

3D印刷市場は、2025年までに1800~4900億米ドルの成長を遂げると予測されているが 、報告書では、3D印刷は大量生産に取って代わるものではなく、それを補完する役割を果たすと結論付けている。

企業が3D印刷サービスを提供する物流会社と提携するメリットを強調している。

具体例として、保管費用を削減する「保守部品のオンデマンド・サービス」、緊急部品の迅速な製造を可能にする「エンド・オブ・ランウェイ・サービス」、そしてカスタマイズの選択肢拡大とリードタイム短縮を同時に実現する「ポストポーンメント・サービス」を紹介している。

個別仕様部品の製造とポストポーンメント・サービスは、個別仕様の製品に対する顧客の需要から生まれたものだが、これらのサービスでは、製造、組み立ての工程を複数の段階に分け、各地に配置した3Dプリンターを使って最終工程を行うという方法を取ることが可能。

いずれについても、実施するためには全く新しいサプライチェーン戦略が求められる。

エンド・オブ・ランウェイ・サービスの主な焦点は、各業界に特化したサービス内容と返品・修理サービスの統合だが、そこにさらに3D印刷を活用することで、部品の製造と発送を迅速化できる見込み。

このサービスは、エネルギー業界、重工業、そして製造業にとって非常に貴重なものであり、消費財業界においても保証修理の業務を改善できる可能性がある。

保守部品のオンデマンド・サービスについては、顧客への配送の途中で部品を3D印刷するというこれまでにない画期的な形で、物流会社がサプライチェーンに関与していくことになるかもしれないとしている。

DHLカスタマーソリューションズ&イノベーションのマティアス ホイトガーシニアバイスプレジデントは、「DHLの最新動向調査報告書『3D印刷とサプライチェーンの未来』は、3D印刷技術が大きな変革をもたらすと指摘している。しかし、それによって工場での大量生産が不要になるというようなものではない。むしろ3D印刷が持つ素晴らしい可能性は、非常に複雑かつカスタマイズを要する製品や保守部品を従来よりも容易に製作可能になるという点にある。そして、これは物流と製造の距離をかつてない程、縮めるかもしれない」と述べている。

■本動向調査報告書「3D印刷とサプライチェーンの未来」
http://www.dhl.com/3Dprinting

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