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商船三井/誤差1.5%以下の精度で船舶性能を推定

2017年11月01日/IT・機器

商船三井は11月1日、富士通研究所、国立大学法人東京海洋大学と共に、富士通のAI技術「FUJITSU Human Centric AI Zinrai」を活用した船舶の性能推定技術についての精度検証を実施した。

<高次元統計解析を用いた主機回転数・風速に対する、予測船速の一例(図は富士通研究所より提供)>
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商船三井が進める「AI技術の有効性を見極める」取り組みの一環として、この技術を用いた実海域での船舶の性能推定技術の精度を検証することで、将来的な燃料消費量を節減し、環境負荷の低減を目指すもの。

検証は、商船三井の運航船から収集した実海域での運航データを、富士通研究所に提供し、そのデータを富士通研究所と東京海洋大学が共同開発した機械学習手法を用いて行った。

商船三井が提供した運航データは、船速、燃料消費量、主機回転数、風向、風速、など約30項目(期間:2015年10月12日 – 2015年12月13日)。

検証手法は、富士通研究所独自のAI技術である高次元な統計解析技術を用いて、運航データ各項目の相関関係を学習させ、船舶の性能を推定する技術を構築した。船速についての誤差評価を行う場合、船速以外のデータから船速を推定し、その推定値と実運航データとの比較検証を行った。燃料消費量についても同様。

<実験結果の一例(船速推定)(図は富士通研究所より提供)>
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検証結果は、船速については誤差約1.4%、燃料消費量については誤差約0.8%の精度で推定できた。図は船速の実測値と予測値の時系列結果を示しており、実測値と予測値がほぼ一致することを確認した。

この取り組みは「船舶維新NEXT ~MOL SMART SHIP PROJECT~」として、AI技術の有効性を見極め、安全運航の強化や燃料消費量の削減を通じた環境負荷を低減することを目指すもの。商船三井は、ICT技術を利活用したサービス向上を通じ、物流のビジネスパートナーとして顧客に選ばれる企業グループを目指すとしている。

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