商船三井は12月26日、古野電気、商船三井テクノトレードと共同で、拡張現実(Augmented Reality、AR)技術を活用した航海中の操船を支援するシステムの開発をすることで合意したと発表した。
取り組みは、自動船舶識別装置(Automatic Identification System;AIS)の情報をベースに、自船周囲で航行する他船やランドマーク(例:海上に存在するブイ)等の情報をタブレットやディスプレー上に表示する。
併せて、船橋からの風景を撮影した映像も表示し、ARを用いて重ねて表示させることで、運航中の乗組員の操船や見張りを視覚的にサポートする。
今後は、レーダーで捉えた障害物もディスプレー上にARで重ねて表示させることや、船舶の衝突回避アルゴリズムである航行妨害ゾーン(Obstacle Zone by Target;OZT)機能を追加すること、また画像認識技術で障害物を捕捉することも視野に入れて、2018年度を目途に機能の拡充を実現していく。
将来の自律航行船の実現にも寄与する技術として期待している。
なお、商船三井は、2016年11月に発表した「船舶維新NEXT~MOL SMART SHIP PROJECT~」の掲げる高度安全運航支援・環境負荷低減を推進すると共に、ICT技術を利活用したサービス向上を通じ、物流のビジネスパートナーとして顧客に選ばれる企業グループを目指している。