日立物流と佐川急便は3月29日、日立物流が京都府乙訓郡に保有する大山崎AE営業所内に佐川急便大山崎営業所を開設し、4月1日より営業を開始すると発表した。
両社では資本業務提携締結後、顧客基盤を活用した営業連携による提案力を強化し、様々なサービスの共同開発、施設・車両のシェアリングなどを実行してきた。
このほど、日立物流グループの大山崎AE営業所内に佐川急便の営業所を開設することで、ロジスティクスとデリバリーが融合した施設展開を実現、近隣事業者に対する新たなソリューション提案が可能となる。
特にEC事業者に対しては物流加工からラストワンマイルまでをワンストップで提供することが可能となる。
日立物流グループの大山崎AE営業所が立地するエリアは、近畿地区の名神高速と京都縦貫道の動脈が交わる大山崎JCT(IC)が近く、佐川急便にとって、幹線輸送の利便性向上が見込まれ、顧客サービスと輸送品質の向上が図れる。
大山崎AE営業所への輸送効率の向上、使用車両便数の削減による環境負荷低減などにも寄与する。
これまで、佐川急便では、日立物流グループ大山崎AE営業所とその周辺企業向けの配達は佐川急便八幡営業所にて担当、1日に大型約5台分の納品を行っていた。
これを日立物流グループ営業所内に佐川急便の営業所を開設することで、この輸送工程を大幅に削減することが可能となる。
佐川急便では、八幡営業所からの移動時間が削減されることで、納品時間の前倒しが可能となる。
さらに、大山崎営業所の新設により、京都市、八幡市に展開する4 つの営業所の集配テリトリーを組み替え、より効果的な集配体制の構築を実現することで、営業所と集配エリアの移動時間が短縮され、従業員の労働環境改善に寄与する。
加えて、日立物流グループ大山崎AE 営業所への納品には大型4 台/1日を使用していたが、これが削減されることと、約13台の集配車両の移動距離が大幅に短縮されることでCO2排出量が最大約32%削減できる。
好立地な場所に既存施設を活用して営業所を開設することで、企業間物流の発着地となる地域への営業拡大と出店コストの抑制が可能となる。
日立物流グループでは、佐川急便の営業所が隣接することで、出荷作業が、佐川急便の受付締め切り時間直前まで対応可能となるほか、施設のシェアリングにより日立物流グループ施設の有効活用が図れ、稼働率の向上に繋がる。
なお、この取り組みは、物流分野での省力化・環境負荷低減を推進するための「改正物流総合効率化法」にもとづいた総合効率化計画として認定された。