メディセオは4月3日、埼玉県加須市で新たな物流・営業拠点「関東ALC」を竣工する。
関東ALCは、旧埼玉物流センターの建屋に改修や増築の工事を施したほか、マテハン機器や設備を含め全てをゼロから見直し、20か月をかけてリノベーションすることで整備した。
建屋と設備には合計80億円を投じており、6月から稼働予定。稼働当初の出荷金額は年間2300億円を予定しており、東京都や埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県など1都7県をカバーする。
医薬品・医療材料・医療機器・臨床検査試薬など、医療に関わる全ての商品を取り扱う都市型フルラインセンターで、2万5000SKU(Stock Keeping Unit:最小管理単位)以上の商品を取り揃え、顧客へ直接配送することで、受注から納品までのリードタイムを短縮。
独自開発の需要予測システムで在庫を適正管理し、定時・適量の納品を実現したほか、独自のマテハン技術と情報システムによって正確な在庫管理と効率的な倉庫内作業、配送作業を実現し、信頼性と生産性を高めた。
また、厚生労働省が2018年12月に発出したGDP(Good Distribution Practice)ガイドラインに準拠した施設となっており、保冷庫前室扉を二重構造とすることで、外気の侵入をブロックし、保冷庫前室・本室とも2~8℃を常時キープできるほか、偽薬対策として、フラッパーゲート・IDカードを使った入退館システム・金属探知機・ITVカメラによって、部外者が出入り不可能な環境を整備。
衛生面では、埃・塵対策として床素材にノンワックスリュームカーペットを採用したほか、総合環境衛生管理(防虫防鼠・空気環境測定)によって万全の衛生管理を実現しており、GDPガイドラインに準拠した標準作業手順書を作成している。
加えて、自動倉庫・商品ラックへの免震装置「ミューソレーター」の採用や、自家発電設備、瞬時電圧低下補償装置、災害時緊急配送用バイクの配備、システム・通信の二重化などによって、地震などの自然災害時にも安定して供給できる体制を整備。ID認証システムを採用し、庫内のセキュリティも確保した。
ALC(Area Logistics Center)は、医療用医薬品や医療材料などを取り扱う高機能物流センター。
メディセオを擁するメディパルホールディングスグループでは、安全・安心・ローコストを追求した新しい流通体制を構築するためALCの全国への拡大を順次進めており、新施設は神奈川、南大阪、名古屋、札幌、東北、南東京、福岡、埼玉、岡山、南九州に続く11か所目のALCとなる。
■関東ALCの概要
所在地:埼玉県加須市大桑1-9
敷地面積:1万5968m2
建築面積:9532m2
延床面積:2万5077m2
構造:鉄骨造、地上4階建
設備投資額:総額80億円(建物、設備等)
カバーエリア:福島県、茨城県(一部)、栃木県、群馬県、埼玉県(一部)、東京都(多摩エリア)、新潟県、長野県(一部)
出荷金額(稼働当初):年間2300億円(予定)
稼働開始時期:6月
NXHD/7月の国際航空貨物取扱実績、グローバル合計42.9%増