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商船三井/北極海航路輸送強化に向け、新たな取り組み発表

2019年06月07日/国際

商船三井は6月7日、北極海航路輸送強化に向けた新たな取り組みを開始し、ロシア・マカロフ提督記念国立海事・内陸水運大学と船員訓練及びロシア人船員の採用・育成の覚書を締結したと発表した。

<覚書締結の様子 商船三井松坂常務執行役員(左)とマカロフ海事大学バリュシュニコフ総長(右))>

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<式典の様子>

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商船三井は、北極海航路を通じたLNG輸送プロジェクトである「ヤマルLNGプロジェクト」で砕氷LNG船の運航を担っており、砕氷LNG船の船員は、マカロフ海事大学が運営するトレーニングセンターで氷海航行訓練や極寒地サバイバル訓練といった特殊訓練を受けている。マカロフトレーニングセンターは、世界を代表する極海域の訓練施設で、同トレーニングセンターの氷海航海シミュレーターを利用した氷海航行訓練は、ロシア政府及び日本海事協会にも承認されている。

また商船三井は、マカロフ海事大学の船員訓練生を採用しており、将来的に商船三井運航船の船長・機関長に育成していく長期計画を立てている。特殊な北極海航路での航行に適した船員育成を進めることで、北極海航路輸送でのリーディングカンパニーを目指している。現在、北極圏では新規プロジェクトが計画されており、拡大する輸送需要に安全運航の面から貢献できるようマカロフ海事大学との協業を通じた船員育成を発展させていく。

同時に、有望な船員訓練生を積極的に採用し育成することで、ロシア海事産業の発展にも貢献していくとしている。

<北極海航路評議会の様子>

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また、商船三井は6月6日、ロシアの国営原子力企業ロスアトム社北極海航路局が開催した第1回北極海航路評議会に参加した。同評議会は、現在サンクトペテルブルクのバルティック造船で建造が進められている次世代の原子力砕氷船「アークティカ」の船内で開催され、ロシア国営の原子力砕氷船保有・運航会社であるアトムフロート社、ロシア国営船社ソブコムフロート社、さらにはヤマルLNGプロジェクトの主要株主であるノバテック社などが参加した。
評議会では、今後さらなる拡大が予測される北極海航路を通じた海上輸送の可能性や発展に向けた取り組みをテーマとして扱った。

商船三井は、砕氷船・北極海航路のトップランナーとして、北極圏からのエネルギー資源輸送・製品輸送の需要に貢献できるよう積極的に取り組んでいくとしている。

■マカロフ海事大学の概要
名称:マカロフ提督記念国立海事・内陸水運大学
設立:1809年(ロシア国内で最大且つ最古の船員育成・訓練機関)
総長:セルゲイ・バリュシュニコフ総長
所在地:サンクトペテルブルク (7つのキャンパスと10の支社を有する)
学生数:1万3000人以上

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