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国分/3温度帯センター16棟完成、2011年以降の投資額430億円

2019年08月30日/SCM・経営

国分グループ本社は8月29日、大阪府茨木市に関西総合センターを竣工したことにより、予定していた全国16棟の3温度帯センターの稼働が実現する。

<関西総合センターの空撮>

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<関西総合センター竣工式でのテープカット。193社255名が集まった>

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<竣工式であいさつする國分勘兵衛会長>

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<國分晃社長>

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国分は2011年からの計画として、低温度帯のマーチャンダイジングと物流機能の強化に力を注いできた。2011年以降の設備投資は約430億円にものぼる。関西総合センターの総投資額は約100億円。

國分晃社長は「2012年に埼玉県三郷市に3温度帯の三郷流通センターを開設して以来、この関西総合センターの竣工により、全国で16センターが完成。当初の計画を達成することができた。国分グループが低温物流事業を強化してきた背景は、食品市場の変化に対応するものだ。少子高齢化、女性の就業率の高まり、様々な食品市場の変化等で、経営に重大な影響を及ぼしてくる。ある調査では、2035年には、食品の流通量(消費金額)は2017年度比で6%減少し、増加するのは、ドライ製品では飲料程度。拡大していくカテゴリーでは、冷凍調理食品が20%の伸び、主食的調理食品(お弁当、おにぎり、調理パン等)も伸びるとされている。フードサービスにおける生鮮食品、チルド、冷凍食品の業務は必須の機能になる」と話した。

<3OD+PLUSコンセプトの概要図>

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そのため、同社では、2012年以降、3温度帯のネットワーク構築をスタート。本業である卸物流機能として、汎用センターとして常温・低温・冷凍の3温度帯でカバー。さらに、2016年には、「3DO +PLUS」(ワンオーダー・ワンデリバリー)のコンセプトを明確化し、小売業用専用物流機能とメーカー物流機能を展開し、常温メーカーから低温、フローズン商品まで在庫から輸送までの取り扱いを開始した。

「従来はそれぞれの温度帯毎に別々のセンターを運営していたが、これらを一体化した大型センターを構築することが、3温度帯総合物流センターの展開になる。1か所に集中することで、効率化を高め、サプライチェーンの最適化を図ることになる」と國分晃社長。

さらに、「2020年には沖縄流通センターの完成を予定しているが、次のステップはアセアン諸国、中国での展開。沖縄のセンターをハブ施設とし、ネットワーク構築を図っていきたい。今後も引き続き低温物流に強い国分グループを目指す」と話した。

<4Fの常温庫内>

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<3Fの移動ラック(電動式パレットラック)>

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<冷蔵庫と冷蔵室の区切り>

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<クレート洗浄機>

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<入荷受付システム>

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<テストキッチン>

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竣工を迎えた関西総合センターだが、多くの特徴を持つ。その一つが温暖化係数が低く、地球環境負荷の小さい自然冷媒の冷凍冷蔵設備を導入することで、併せて省力化も実現している。

また、フローズン(冷凍)で保管している商品を、出荷販売に向けチルド(冷蔵)に戻すフローズンチルド商品の加工場も備える。賞味・消費期限の発行までのミスの許されないフロチル機能を完備。そのフロチル商品をメニューに合わせキット化、業務用商材の小分けや組み合わせなど、バックヤードの時短や省力化も実現している。

その他、入荷受付システムでは、タッチパネル式入荷受付システムの導入により、車両の入退場をデータ管理し、入荷車両のスムーズな誘導・待機車両混雑の緩和を実現。

仕分けには、DAS(デジタルアソートシステム)を採用し、得意先に合わせた多品種・少量の仕分けを多店舗同時に作業、高精度な仕分けで誤仕分けを防止。センターと店舗間を流通する専用クレートの衛生面を考慮し、クレート洗浄機も設置している。

<左から国分西日本の碇豊樹社長、国分グループ本社國分晃社長、山崎佳介取締役常務執行役員>

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実際の運営会社となる国分西日本の碇豊樹社長は「このセンターは流通加工が発達したセンター。9月中旬以降にマテハン機器の導入を終え、年末、年初あたりに稼働できるものと考えているが、新センター物流のシステム機能を活用し、顧客満足度を高めることを中心にやっていきたい。さらに、新規顧客の獲得にもつなげていきたい」と抱負を語った。

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