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江崎グリコ/原材料を納入事業者と共同一括管理する物流体制構築

2019年10月28日/SCM・経営

江崎グリコは10月28日、物流での社会課題への取り組みとして、食品製造に必要な原材料を納入事業者各社と共同で一括管理する新たな物流体制「VMI(Vendor Managed Inventory/ベンダーによる在庫管理)」を構築し、10月28日、その拠点となる「関東VMIセンター」を埼玉県で稼働させたと発表した。

<対象地域>

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<従来と新体制でのシステムフロー図>

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江崎グリコは、”小口多頻度化”の緩和に向けた新たな物流体制「VMI」の取り組みをスタートした。

新たな体制は、”原材料調達”の取り組みで、複数の事業者からの原材料の納入作業と、その管理を「VMIセンター(拠点倉庫)」に集約させ、そこから必要な原材料を各工場に配送する仕組み。

江崎グリコでは、製品製造にあたり、小麦から香料に至るまで数千種類にわたる原材料を扱っており、その納入企業は数十社に及ぶ。従来、それら原材料は、納入事業者各社が配車したトラックが、全国に点在する工場に対し、受注の都度、個別に納品を行っていた。そのため満載に至らない輸送も目立ち、また、各社トラック集中による荷下ろし渋滞が各工場で発生し、この非効率な状況が長らく続いていた。

この解消のため、新たな物流体制「VMI」を構築し、10月28日、「関東VMIセンター」を埼玉県加須市で稼働させたもの。

同センターではGlicoグループの関東5工場(那須グリコ乳業、茨城グリコ、関東グリコ、グリコ千葉アイスクリーム、東京グリコ乳業)が対象となり、常温原材料を扱う。この物流体制は、高い精度の需要予測を必要とし、納入事業者は同社が出す需要予測をベースに、一度あたりの納入量や納入タイミングをはかることで、より効率の良い納品が可能。

これらの取り組みにより、納入企業は納入回数を減らすことができ、一方の江崎グリコにとっても荷下ろし業務の効率化が可能となる。また、トータルでのトラック走行距離は圧縮され、また、荷下ろし渋滞も解消されることから、最終的にCO2の削減も可能となる。

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