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日立物流/最先端ECプラットフォームセンター公開、自動化率72%

2019年12月10日/IT・機器

日立物流は12月10日、物流の新領域を目指す「LOGISTEED」の一環として、新たにEC物流をシェアリングする「ECプラットフォームセンター」を公開した。

<埼玉県春日部市のECプラットフォームセンター>

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<日立物流経営戦略本部の高岡勲副本部長>

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<日立物流ECプラットフォームセンター動画>

埼玉県春日部市南栄町に立地する「ECプラットフォーム」は複数のEC事業者で最新鋭設備、物流システム、スペース、マンパワーをシェアリングする従量課金型を採用した新しいコンセプト(スマートウェアハウス)の物流センターだ。

従来だと、荷主顧客ごとにカスタマイズした物流サービスを提供したわけだが、このスマートウェアハウスは日立物流が先行して準備したアセット、システム、マンパワー、空間を顧客に利用してもらうというものだ。

日立物流経営戦略本部の高岡勲副本部長は「未知に挑むというグランドスローガンのLOGISTEEDを掲げているが、その一環となる新しい試み。ECプラットフォームセンターとは、さまざまな企業とパートナーを組み、運用を通じて完成させるもの。進化した日立物流を示していきたい」と話した。

ECプラットフォームセンターの概要は、約2000坪の面積の内、作業自動化スペースに約1200坪、保管スペースに約800坪を割いている。

この中のレイアウトは、入庫から始まり、在庫、製函、ピッキング、自動投入、緩衝材投入、封函、ロゴ印字、送り状、手動検品・梱包となり、このうちの大部分を自動化している。自動化率は約72%になる。

<ピッキングでは、入れる場所だけ青色のシートが開く>

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<入庫と保管、ピッキングでAGV(EVE)を利用>

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<自動製函機>

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<チラシ等を自動投入>

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<現在は人力による緩衝材投入だが、今後自動化予定>

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このうち、入庫では人とAGV(EVE)が絡むが、在庫、製函では完全自動化を実現。ピッキングでは、AGVピッキングと人の協働作業となるが、現在画像検品システムプロジェクションピッキングの開発・研究を進めている。

画像検品での難しいところは、その画像をきちんとその製品として認識するかどうかだ。例えば、同じ商品でも、フィルムの反射で白飛びしたり、角度が違うだけで、同一製品とみなさないなど、問題は多岐にわたる。そこで、日立物流では、Phoxter社とパートナーを組み、Phoxter社の偏光技術を用い、全反射やムラが起きない撮像を実現。

チラシや納品書、についても完全自動化を実現、緩衝材投入にはまだ人手を借りているが、これも近々自動化していく予定だ。

封函、ロゴ印字、送り状についても、完全自動化を実現。マニュアル検品とギフト梱包対応については、人+設備による。

これだけの自動化率の倉庫をEC事業者がシェアリングできることがセールスポイントになり、固定費がかからず変動費だけとなり、EC物流に気軽に参加できるシステムとしている。EC事業者は中小のEC事業者が基本となり、1日あたりの出荷量が100件から1000件あたりがターゲットとなる。少なくとも10数社以上のEC事業者でシェアリングするシステムとする予定だ。

取り扱いができないのは、危険物、臭気性のある製品、チルド・冷蔵、さらに大型製品は取り扱わない。

<日立物流の村上宏介ECプラットフォームセンター長>

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村上宏介ECプラットフォームセンター長は「このシェアリングは自動化・省人化により、顧客にとっては波動に対応できますし、固定費がかからないという大きなメリットがあります。このECプラットフォームセンターの稼働を通じて、将来的に複数拠点化を目指したい」と述べた。

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