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DNP/物流配送マッチングサービスがMaaSアワード受賞

2020年06月29日/IT・機器

大日本印刷(DNP)とGlobal Mobility Service(GMS)は6月29日、急速な経済成長を続けているフィリピンをはじめとして東南アジアでの物流課題の解決を目指して、両社が事業開発に取り組む物流配送マッチングサービスが、「MaaS & Innovative Business Model AWARD (MaaSアワード)2020」のビジネスモデル部門で優秀賞を受賞したと発表した。

物流配送マッチングサービスとは、ウェブやスマートフォンのアプリケーションを使って、荷主とトラックドライバーをマッチングするサービス。クラウド環境にて、最適な配送ルートの設定、トラックの位置情報や運行履歴等の管理、デジタル配送証明書の発行などを行う。

ドライバーが個人事業主である場合は、旺盛な配送需要に対して、運転中に配送の注文を受けたり、複数の配送案件の最短ルートを設定して効率を高めたりすることが困難だった。このサービスの活用によって、物流の効率化を図り、より多くの配送案件に確実に対応することが可能になる。

フィリピンでは、急速な経済成長による物流量の増加に対して、都心部の深刻な渋滞や物流事業者の不足などにより、生活者が日常的に利用する店舗等に品物が届かないという問題が発生している。

物流システムの整備が求められるなかでこのサービスは、GMSのFinTechサービスとDNPの開発したクラウドシステムを用いて実現。GMSは真面目に働くために自動車が必要にもかかわらず、与信審査を通過できない貧困・低所得層がローンを利用して自動車を所有できるように、IoT技術を活用したFinTechサービスを提供している。このFinTechサービスを活用してトライシクル(三輪タクシー)のローンを完済した優良ドライバーが、このサービスでも同様のローンを利用して小型トラックを購入し、個人事業主として配送を行う。

さらに、こうして小型トラックを購入したドライバーがローンを返済していくためには、多くの仕事を効率的に進めていく必要があるため、DNPはドライバーと荷主のマッチングを行い、最適配送ルート設定やトラックの位置情報、運行履歴やデジタル配送証明書発行などの機能を有するクラウドシステムを開発した。

このサービスにより、個人事業主であるドライバーが、旺盛な配送需要を追い風として安定的な仕事量を獲得できるとともに、荷主はより多くの品物をタイムリーに届けられるようになり、経済成長のボトルネックとなる物流課題の解決に寄与していくとしている。

なお、このサービスを通じて、フィリピンをはじめ東南アジア全体の低所得層の所得向上にも貢献することが可能であり、こうした社会課題の解決に向けて、GMSとDNPは2018年に資本業務提携契約を締結し、両社共同で2019年7月よりフィリピン大手食品・日雑品卸と組んで物流配送マッチングサービスの実証実験を経て、事業開発に取り組んでいる。

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