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貨物輸送予測/国内・国際共、新型コロナでリーマン上回る大幅減

2020年07月17日/調査・統計

日通総合研究所は7月17日、「2020年度の経済と貨物輸送の見通し」改訂版を発表した。

<経済活動と輸送量>
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それによると、国内貨物輸送の現状と見通しでは、コロナ・ショックを受け、2020年度の総輸送量は大幅なマイナスに陥るとしている。

2019年度は消費増税を契機とした景気後退の影響などから1.2%減と低調だったが、コロナ・ショックの影響により、2020年度の総輸送量は6.9%減と大幅なマイナスになると予測している。

<品類別輸送量の推移>
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リーマン・ショックにより大きく落ち込んだ2009年度(6.0%減)を下回る伸び率を予測。個人消費、設備投資など民間需要の総崩れに加え、輸出の低迷を受け、消費関連貨物および生産関連貨物は1桁台後半の大幅なマイナス。住宅投資の大幅減もあって建設関連貨物も4%台のマイナスに。建設関連貨物を除く一般貨物は8.4%の減少としている。

そのほか、消費関連貨物の2019年度は5.7%減だったが、2020年度は7.4%減とマイナス幅拡大。生産関連貨物の2019年度は3.8%増も、2020度は9.2%減に。建設関連貨物の2019年度は2.3%減、2020度は4.0%減に。雑貨輸送量の2019年度は1.5%減、2020年度は6.6%減になると予測している。

<自動車輸送量の推移>
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<特別積合せトラック輸送量の推移>
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分野ごとでは、鉄道はコロナ・ショックが需要下押し、JRコンテナは6.3%減に。自動車では営業用自動車が2年ぶりのマイナスへ転換。内航海運は石油製品、鉄鋼、化学製品などが大幅減に。国内航空は需要低迷に加え供給力の減少が足かせとなっているとしている。

営業自動車のうち、特別積合せ貨物(24社分)の2019年度は2.5%減、2020年度も3.2%減と低調を予測。

国際貨物輸送についても、外貿コンテナ貨物はコロナ・ショックによる世界経済の大幅減速を受けて、輸出は6.6%の減少に。輸入は、個人消費・設備投資が低調に推移し、4.8%減とマイナス幅が拡大と予測。

国際航空では、輸出は太平洋線・欧州線の大幅減により、9.0%減と2年連続のマイナスに。輸入は消費財・生産財ともに荷動きが低迷、7.2%減とマイナス基調が続くとしている。

一方、日本経済は2020年1~3月期の実質経済成長率(季調ベース)は、前期比0.6%減(年率2.2%減)、前期(2019年10~12月期)に続き、2期連続のマイナス成長になった。個人消費、設備投資、輸出の三本柱がマイナス、公的需要が下支えになっている状況。

2020年度は、消費増税とコロナ・ショックにより、リーマン・ショック時を下回る大幅なマイナス成長になるとしている。

2020年度の実質経済成長率は5.6%減と、リーマン・ショック時(2008年度:3.4%減)を大幅に下回る見通し、としている。

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