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メディパルHD/クライオポートと特殊温度帯サプライチェーン構築

2020年08月04日/SCM・経営

メディパルホールディングスとCryoport, Inc.(クライオポート)は8月4日、日本での再生医療サプライチェーンの統合ソリューションの構築に関して、複数年にわたる戦略的提携に合意したと発表した。

メディパルとクライオポートは、厳格な温度管理やトレーサビリティ、およびグローバルな流通が求められる細胞・遺伝子療法の総合的なサプライチェーンの管理ソリューションの提供を目的とし、提携に合意したもの。

現在開発中の細胞・遺伝子治療製品や今後上市が期待される治療薬の増加に対応するため、今回の提携を通して、両社の強みを融合させ、日本、アジア太平洋地域および全世界のバイオ医薬品企業に向けて、信頼性の高いシームレスな流通サービスの提供を実現していくとしている。

クライオポートは、世界各地で465件以上の治験薬物流のほか、複数の細胞・遺伝子治療製品の流通をサポートしている。ライフサイエンス業界向けの独自の温度管理ソリューションにより、ユーザーは24時間体制で出荷をモニタリングでき、輸送中の生物学的製剤の状態、位置情報、配送業者の取り扱い状況を追跡することが可能。また、輸送中に問題が発生した場合、クライオポートが速やかに状況を改善する。

メディパルは、ヘルスケア業界においてスペシャリティ医薬品を、-196℃~37℃の幅広い温度範囲で、厳密な温度管理とトレーサビリティ担保のもと、信頼性が高く効率的でタイムリーな業界をリードする物流ソリューションを提供している。独自開発したSDDU(Specialty Drug Distribution Unit:液体窒素を用いた液体気相下で超低温を長時間保持する医薬品物流ユニット)をはじめとする高品質な物流機能を活かし、日本での再生医療等製品の流通での豊富な実績を有している。

今回の提携の目的は、医薬品流通における両社の日本および世界の顧客に対してリスクを軽減し、確実性を高める完全統合型ソリューションを提供し、クライオポートとメディパルの双方の事業収益を向上させること、としている。

メディパルの渡辺秀一社長は、「今回のクライオポートとの提携により、両社の強みを相互に補完し合いながら、日本市場のみならず海外においても一貫した高品質な物流サービスをシームレスに提供できるようになる。また、今回の提携は、国内外のアンメット・メディカル・ニーズの充足に向けた取組みを加速し、新たな治療法を待つ患者や治療に携わる医師、医療従事者のお役に立てるものと確信している」と述べている。

クライオポートのJerrell Shelton CEOは、「クライオポートの Chain of Complianceの技術と情報管理は、世界中のバイオ製薬企業から信頼されている。当社は、SmartPakコンディション・モニタリング・システムと Cryoportal技術を用いて、細胞・遺伝子治療製品の状態を梱包から輸送、開梱までリアルタイムで監視することで、潜在的なリスクを大幅に軽減している。今回のメディパルとの提携により、日本のみならず世界の細胞・遺伝子治療分野で共に成長していくことを期待している」と述べた。

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