メディパルホールディングス(HD)は5月27日、子会社のメディセオが兵庫県加東市に「メディカル流通センター(MRC)神戸」を竣工したと発表した。約64億円を投じ、10月中旬に稼働を開始する。
「MRC神戸」は、西日本に製造拠点のある製薬企業から委託された商品の受注・保管・管理・出荷などの物流業務を担う物流センター。地上3階建てで、延床面積は4万4585m2となる。
<製薬企業から最終需要者までの全体最適流通プラットフォームを確立>
グループでは、製薬企業から最終需要者である医療機関・保険薬局・患者まで、サプライチェーン全体を見据えた物流最適化に取り組んでいる。
メーカー物流を担う「MRC神戸」は、既に稼働している「MRC東京」「MRC中国」に続き3か所目。2024年1月まで稼働していた「西日本物流センター」をフルリノベーションした建屋で、医薬品の適正流通(Good Distribution Practice)のガイドラインに準拠した物流機能を整備した。
将来の労働人口減少に備え、重量物の出庫には、ロボットによる自動出庫や作業員の負担軽減を目的としたバランサーも導入。センター内の搬送は無人搬送車(AGV)や高速パレット搬送台車を導入し、センター全体での省人化・省力化を進める。
また、保管・輸配送の共同化により輸送車両の効率化を行い、温室効果ガス排出量の削減と環境負荷の軽減を目指す。入荷予約管理システムを導入し、入荷時のトラック待機時間を短縮、スムーズな物流オペレーションにも取り組む。
このほか、すべての保管温度帯に対応するとともに、自家発電設備・瞬時電圧低下補償装置による安定稼働、免震装置による商品落下・破損防止など、災害発生時にも「止まらない物流」を実現できるよう、万全を期す体制を整備しているという。
■施設概要
名称:メディカル流通センター神戸
所在地:兵庫県加東市南山6-6-2
敷地面積:3万981m2(9340坪)
建築面積:1万5029m2(4546坪)
延床面積:4万4585m2(1万3487坪)
構造:鉄骨造(耐震構造)、地上3階建