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JLL/物流施設需要は過去最大、空室率は過去最低

2020年08月25日/調査・統計

ジョーンズラングラサール(JLL)は8月25日、2020年第2四半期のリサーチレポート「東京ロジスティクスマーケットサマリー」を発表した。

それによると、経済面での物流関連指標は悪化となった。新型コロナウイルスを受けて、鉱工業生産指数は5月に前月比8.4%減と3か月連続の減少、輸出金額は前年比28.3%減と18か月連続の減少、輸入金額は26.1%減と13か月連続の減少となった。

<需要と供給の推移>
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そのような中、物流セクターの需要面では、第2四半期にオンライン小売業、3PL企業等による旺盛な需要が持続し、大型の新規供給を吸収したことから、ネットアブゾーブション(当期中に新たに賃貸借された床面積から当期中に退去した床面積を控除したネットの床面積の増減)は40万6000m2となり、上半期までに139万7000m2と半期では2019年上半期の値を超え、過去最大となった。

第2四半期の東京圏の新規供給は、5棟38万9000m2となり、ストックは前期比3%、前年比21%増加した。新規供給物件はすべて内陸エリアに所在し、MCUD上尾(10万6000m2)、MFLP立川立飛(7万m2)となった。

第2四半期の東京圏の空室率は0.6%となり、前期比0.1ポイント、前年比2.7ポイントの低下となった。4四半期連続で過去最低を更新。東京ベイエリアの空室率は0.0%となり、前期比0.3ポイント低下となった一゜宇、内陸エリアは1.0%となり、前期比0.1ポイント低下となった。

<賃料と価格の推移>
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賃料と価格では、第2四半期の東京圏の賃料は月額坪あたり4350円となり、前期比0.2%の下落、前年比1.8%の上昇となった。6四半期ぶりの下落を示した。新規供給物件が相対的に賃料の低い内陸部に集中したことが下落につながった。ベイエリアと内陸エリアは前期比横ばいとなった。

第2四半期末時点の東京圏の価格は前期比0.3%の下落、前年比1.7%の上昇となった。

第2四半期の東京圏のロジスティクス投資総額は前年比28.8%減の1088億円となった。投資事例には、GLP投資法人によるGLP横浜の取得(持分40%)が挙げられる。価格は161億円、NOI利回りは4.1%だった。

今後の見通しでは、Oxford Economicsによると、2020年に鉱工業生産指数は83%の減少、輸入は11.8%の減少となる見通しだ。

リスク要因には、新型コロナウイルス感染症による国内外経済の下振れが生産や輸出入に与える影響が挙げられる。

賃貸市場では、需要は堅調となると予測されることから、賃料は組閣的安定的に推移する見通しである。ただし、過去最高の供給をみると、一部の内陸エリアは賃料下押し圧力を受ける可能性がある。

投資市場では投資家の関心の高さを背景に、投資利回りは一層の低下余地があるとみられ、価格はこれを反映して穏やかに上昇する見通しである、としている。

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