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三井不動産、日鉄興和不動産/25.6万m2の物流施設にかける思い

2024年10月02日/物流施設

三井不動産と日鉄興和不動産は、9月30日に東京都板橋区に25.6万m2の物流施設「MFLP・LOGIFRONT 東京板橋」を竣工し、10月2日には竣工式を行った。

<「MFLP・LOGIFRONT 東京板橋」外観>
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<左から篠塚本部長、加藤副本部長、坂本区長>
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竣工にあたっての説明では、日鉄興和不動産の執行役員企業不動産開発本部の加藤由純副本部長が土地の歴史・立地特性、地域貢献への取り組みを、三井不動産の執行役員ロジスティクス本部の篠塚寛之本部長がMFLP・LOGIFRONT 東京板橋の特徴、新産業創出への取り組みを発表。また、板橋区の坂本健区長が挨拶を述べた。

<加藤副本部長>
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加藤副本部長はこの土地が1935年から日本製鉄の製鉄所だったことを説明。その土地を2021年に日鉄興和不動産が取得したことで、このプロジェクトをスタート。三井不動産との共同開発について「従来からオフィスビル等で共同事業実績があることと、大規模開発で、巨額の資金も必要となるため、共同で開発することに決めた」と加藤本部長。

日鉄興和不動産は「ビル事業」、「住宅事業」、「物流事業」を主要事業として展開している。加えて、全国の日本製鉄グループの製鉄所エリアを中心に地域再生事業に取り組んでいる。その代表例が産官学民による福岡県北九州市八幡東田地区の街づくりや岩手県釜石市の釜石市と協働し新たな街づくりを支援したことだ。同社は日本全国で地域のニーズや地域の課題解決を目指した地域再生事業を行っており、「MFLP・LOGIFRONT 東京板橋」の竣工はその一環であるとしている。

また、地域の防災力向上に資するために板橋区と協議を重ね、「災害に強い安心・安全なまちの実験」、「地域にひらかれ、人々が豊かに暮らせる憩いの場の整備」、「新たな産業機能の更新を図る」ことを基本方針としている。加藤副本部長は「日常と非日常時の両方の局面で地域に貢献できる『フェーズフリー』な開発を目指した」と述べた。

地域貢献への取り組みでは、国内初の官民連携による高台まちづくりを推し進め、「退避路(デッキ)の整備」、「地域住民1000人が対比できる避難場所の設置」、災害時に活用できるヘリポートの整備」を実現している。さらに、両者とヤマト運輸、板橋区による4者災害協定書を締結し、運用体制を構築している。太陽光発電電力の地産地消では、自家消費以外の余剰電力を板橋区内73の小中学校に供給することも決まっている。

さらに、地域の憩いの場として、川沿いの緑道の親水空間の形成や、あおぞら広場、芝生広場、わくわく広場等を設け、地域の住民が親しめる空間を提供している。もちろん、物流事業のトラック車両等との導線は完全に分離している。

<篠塚本部長>
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篠塚本部長は、「MFLP・LOGIFRONT 東京板橋」の位置付けとして、「2012年にロジスティクス事業に参入し、順調に成長を遂げ、75物件まで展開してきたが、この物件は街づくり型物流施設の集大成」と表現している。東京都23区内に誕生した都内最大規模の街づくり型物流施設というわけだ。

立地面では、地下鉄都営三田線の西台駅から徒歩10分、23区内では希少な工業専用地域、25.6万m2の延床面積を持つ大規模フロアプレート、業界トップレベルのスペック、約4MWの太陽光発電と免震構造、非常用発電機の整備と、希少立地とトップレベルの倉庫スペックを両立し、「唯一無二」の施設と表現している。

リーシングに関しては既に竣工前に4社で9割方が埋まっているとのことで、ヤマト運輸や丸和運輸機関等が入居することが決まっている。

注目すべきは不動産デベロッパーの枠を超え「産業デベロッパー」として社会的価値創出を目指すという三井不動産グループの長期経営方針だ。この施設でも、ドローン産業の可能性について着目し、「板橋ドローンフィールド」を開設。この場所で実験・研究、教育・人材育成、連携・コラボレーションが進展する予定だ。既に、ドローン産業を支える技術者・オペレーターを育成する東京都内初の「KDDIスマートドローンアカデミー東京板橋校」を開校することが決まっている。

なお、10月26日には、地域との交流イベントとして物流体験コンテンツ・ドローン実演などを通じて物流の仕事や未来を楽しみながら、知ることができる「MFLP・LOGIFRONT 東京板橋 MIRAI FES」を開催予定だ。

三井不動産、日鉄興和不動産/板橋区に25.6m2の街づくり型物流施設竣工

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