京都ロボティクスは9月1日、日本ロジスティクスシステム協会(内閣府所管)が主催する「2020年度ロジスティクス大賞」を受賞したと発表した。
<ケース寸法やケース重量の計測ができるマスタレス・ティーチレスデパレタイジングロボット>
受賞したのは、日用品卸センターの省人化・自動化における知能ピッキングロボットの活用で、マスタレス・ティーチレスのケースピッキングロボットの開発と導入においてだ。
受賞では、Kyoto RoboticsとPALTACが共同開発した、世界初の「ケース寸法・重量計測ができるマスタレス・ティーチレスデパレタイジングロボット」が、ロジスティクス高度化への取組みと評価された。
このロボットシステムは、PALTACの新物流センター「RDC埼玉」に8台が導入・稼働している。
導入では、安定稼働と高速処理という点以外にも、ケース寸法やケース重量の計測といった付加価値の創出を可能にした。事前のケース寸法情報なしでのピッキングが可能になり、大幅な工数削減となる。
また、ピックするケースの実物をその場で寸法計測するため、事前マスタと実物が異なることによって起こる、ケースや設備の破損リスクも大幅に低減される。
処理能力は平均700ケース/h以上。1日約2万ケースの出庫作業でも対応できるようになっている。1ケースピックごとに最新の荷姿を撮影しており、ケース位置のずれ等の変化にも対応する。これにより、高速処理と安全運用の両立を実現している。
エラー率0.006%以下で、1日に2万ケースピックしても、1回未満のエラー発生率となっている。
デパレタイズと同時に、ケース情報を計測。取得したケース情報は、「ケース自動倉庫の格納棚決め」「トラック配車予約のための体積、重量計算」「積み付け(パレタイズ)工程での積み付けシミュレーション」に使用する。
3Dビジョンにより、ミリ単位でケース情報を取得。これにより、ケース寸法情報を計測する専用機を別途用意する必要がなくなる。
また、ケースのサイズ・重量から最適な運搬スピードを自動で算出。軽いケースは速く、重いケースはゆっくりと運搬することで、ケースの損傷を防ぐとともに、自動化効率も最大化する。
パレット種類の識別率は100%。デパレタイズ終了後の空パレットを認識し、自動で排出することにより、ロボット設備の完全自動化を実現した。
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