飯野海運が5月11日に発表した2021年3月期決算によると、売上高889億1600万円（前年同期比0.3％減）、営業利益68億3100万円（71.8％増）、経常利益68億1000万円（97.1％増）、親会社に帰属する当期純利益76億5500万円（102.1％増）となった。
外航海運業は、売上高692億9500万円（1.3％増）、営業利益24億6300万円（278.1％増））だった。
大型原油タンカーは、入渠（にゅうきょ）船の影響を完全に避けられなかったものの、第2四半期と第4四半期に竣工した新造VLCC2隻を含む支配船腹を長期契約に投入するなど、安定収益の確保に努めた。
ケミカルタンカーでは、基幹航路である中東域から欧州とアジア向けの数量輸送契約に加え、市況高騰時に高運賃のスポット貨物を取り入れるなどの安定的な輸送を実施。復航でも北アフリカからのリン酸液やアジア域からのスポット貨物を積極的に取り込み、収益を確保した。米国オペレーターとの合弁事業は、安定的な数量輸送契約と効率的なスポット貨物の集荷を行って稼働を維持した。
ドライバルク船では、当期中で新たに竣工した専用船が順調に稼働し収益に貢献した。ポストパナマックスとハンディ船型を中心とする不定期船部門は、新型コロナ感染症の拡大で市況が一時低迷したが、第2四半期以降は市況が回復。契約貨物への投入を中心に市況の上昇を捉えた効率配船に努めた結果、運航収支は総じて改善し採算が堅調に推移した。
一方、内航・近海海運業は、売上高85億8100万円（7.2％減）、営業利益5億500万円（11.4％減）となった。
次期は、売上高880億円（1.0％減）、営業利益41億円（40.0％減）、経常利益39億円（42.7％減）、親会社に帰属する当期純利益60億円（21.6％減）を見込んでいる。
