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日本郵船/液化アンモニアガス運搬専用船の実用化に向け覚書締結

2021年06月02日/SCM・経営

日本郵船は6月2日、日本シップヤード、日本海事協会と共に、ノルウェーの大手窒素肥料メーカー、ヤラ・インターナショナルと、アンモニアを主燃料とする液化アンモニアガス運搬専用船(AFAGC)の実用化に向けた共同検討の覚書を締結したと発表した。

具体的には、3社はヤラと共に、船の設計開発、オペレーション手法の検討、法規制対応の検討、経済性の評価などの具体的な運航要件に基づく検討を進める。今回の共同検討は、日本郵船、日本シップヤード、日本海事協会が2020年8月から実施する、世界初のAFAGC実用化に向けた研究開発の一環として行った。

各社の役割は、ヤラが傭船者として、運航要件の策定、傭船者としての経済性の評価を行う。日本郵船は船主となり、運航手法の策定、法規対応の検討、AFAGC導入による環境性評価、船主としての経済性の評価に取り組む。

日本シップヤードは造船会社として、AFAGCの研究開発・設計、CO2排出削減量の推算を実施。日本海事協会は船級協会の役割で、安全性に関する技術検証、ガイドラインの策定を行う。

アンモニアは、燃焼しても二酸化炭素(CO2)を排出しないため、地球温暖化対策に貢献する次世代燃料として期待されている。また、アンモニアの原料となる水素にCO2フリー水素(CO2を発生することなく生成した水素)を活用することでゼロ・エミッション化が実現できるとみられている。

海運分野では国際海事機関(IMO)が、国際海運分野からのGHG排出量を2050年までに半減し、今世紀中の早期にゼロとする目標を掲げており、アンモニアは、この目標達成に貢献する代替燃料として注目されている。

4社では今後、共同研究を通じて、アンモニアの船舶用燃料での活用を推進。同時に、化学製品や肥料原料などを含む既存需要と、国内火力発電所での燃料利用などが含まれる将来の拡大が見込まれる新規需要に対して、アンモニア燃料の安定供給
を実現し、海事産業にとどまらず、エネルギー産業の脱炭素化への貢献を目指す。
また、安全性に関する共同研究にも積極的に関わることで国際基準の早期策定にも取り組むとしている。

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