Hacobuは7月19日、同社のトラック予約受付サービス「MOVOバース」が、菓子卸大手コンフェックス社の配送センターに今春導入され、ドライバーの長時間労働削減の効果が出たと発表した。
トラック予約受付システムは、複数の運送会社がトラックの荷下し時間の予約をパソコン、携帯電話から行えるスケジュール管理システム。何を積んだトラックが、何時に到着するか、が分かり、トラックの納入時間の分散、事前の荷量把握による物流センターの段取りの効率化が可能になり、庫内業務員、トラックドライバーの双方の生産性向上を実現できるようになる。
コンフェックスでは、2021年4月に埼玉県の久喜センターにトラック予約受付システムのMOVOバースを導入した。事前準備の段取り効率化により、トラックの平均待機時間は1時間30分から30分に短縮した。
現在は厚木(神奈川)、大阪(大阪)、北関東(群馬)の計4センターに導入している。
なお、お菓子メーカーから商品を仕入れコンビニ向けなどに配送を行っているコンフェックスは、年々上昇する物流費の高騰が課題だった。物流業界はトラックドライバーの人手不足が叫ばれる中、2024年4月に「働き方改革関連法」が施行され、トラックドライバーの時間外労働時間が年間960時間までに限定される。ドライバーのリソース不足が加速し、物流費の値上がりが危惧されている。お菓子の運送は非効率な時間が多く、2024年問題の影響が大きい業界の1つと言われている。
お菓子は、商品1つ1つの形状が異なる上に、商品の改廃のサイクルが早いので、コンフェックスでは、荷役(荷物の上げ下ろし)用に、運搬機器や台車などの導入が困難で、人手でカバーするしかなかった。荷役はバラ積みバラ降ろしになり、非常に時間がかかっていた。荷捌き場は渋滞し、後続のトラックは、荷捌き場で1時間~1時間30分程度の待機をしなければならない。貴重なトラックドライバーのリソースに無駄が生じていた。
コンフェックス物流本部の三品 英嗣氏は「物流業界の2024年問題を考えると、物流費が上がっていくことは明白。待機時間の問題を残したままでは、ドライバーさんから敬遠されてしまい、商品の入荷ができなくなる。そのために、物流DXとして、MOVOの導入、メーカーからのASNデータ(事前出荷情報)の取得、パレット導入などを推進していこうと思っている。MOVOに関しては、入荷に来るドライバーさんからも、他の配送センターにも導入して欲しい、という声をもらっている」と話している。