LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





三井E&Sマシナリー/遠隔操作門型クレーン工場内調整運転開始

2021年08月31日/IT・機器

三井E&Sマシナリーは8月31日、少子高齢化に伴う労働者不足の問題を解消するため、コンテナターミナル(CT)での労働者の作業環境改善・安全性向上・生産性向上を目的とした遠隔操作タイヤ式門型クレーン(トランステーナ)を開発し、鈴与より受注している遠隔操作トランステーナについて、このほど工場内調整運転を開始したと発表した。

<トランステーナ>
20210831mitsuies 520x416 - 三井E&Sマシナリー/遠隔操作門型クレーン工場内調整運転開始

鈴与では、現在、清水港において次世代高規格CTの形成を進めており、2025年までに新興津CTで運用する全てのRTGを遠隔操作化し、高齢者が活躍できる場、就労人口が減る中で若者が入職しやすい環境を整え、CT全体の生産性向上を図る計画だ。

三井E&Sマシナリーでは、鈴与より遠隔操作トランステーナ22基(新規17機、改造5機)を受注しており、2022年9月にまず2基の運用を開始する予定(全機納入完了は2025年3月末予定)。この遠隔操作トランステーナについて、このほど同社大分工場内の試験ヤードにおいて調整運転を開始した。工場内で遠隔操作機能を確認した後、2022年2月に清水港新興津CTへ輸送し現地での総合試験運転を開始する予定だ。

同社では、1998年に、シンガポール港パシル・パンジャン・ターミナルのコンテナ蔵置ヤードに遠隔・自働化OHBC(オーバヘッド・ブリッジクレーン)を納入するなど、早くから遠隔操作技術の開発に取り組んできた。2018年からは大分工場内に試験ヤードを開設、開発用トランステーナを自社所有し、管理棟から高効率かつ安全に操縦できる「遠隔運転技術」の向上に努めてきた。これらの技術により1名の操縦者が複数のコンテナ蔵置ヤードクレーンを操縦することが可能となり、CTを取り巻く労働者不足の問題を解決する。

同社は、前身の三井造船時代の1968年に日本初のコンテナ用ヤードクレーンを神戸港・摩耶埠頭に納入した。以来、世界中の港湾で同社のトランステーナが採用され、2021年4月現在、国内外の港に累計1525機を納めている。

トランステーナは同社子会社である米国パセコ社の登録商標。同社は米国パセコ社のライセンシーとして、トランステーナの開発・製造を行っている。

関連記事

IT・機器に関する最新ニュース

最新ニュース