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サントリーロジ/埼スタ隣にグループの東日本最大倉庫開設

2021年11月24日/物流施設

サントリーロジスティクスは11月24日、さいたま市緑区に開設した首都圏の新物流拠点「浦和美園配送センター」を報道陣に公開した。

<浦和美園配送センター外観(DPL浦和美園)>
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「浦和美園配送センター」は、大和ハウス工業のマルチテナント型物流施設「DPL浦和美園」の3~5階を賃借して開設した。総賃借面積4万m2、保管能力115万ケースと、サントリーグループの物流拠点としては東日本最大の規模を有しており、清涼飲料や酒類各種等の拠点として11月上旬から段階的に稼働を開始している。

「浦和美園配送センター」には、グループにおける物流再編の一環として複数箇所に分散していた倉庫機能を統合集約し、在庫配置や倉庫間移動を効率化している。今後は、既存の草加配送センター、三郷配送センターと、「浦和美園配送センター」の計3拠点、総延床面積6万6000m2によって、首都圏の物流を担う。

<低床トラックバース(中央の白線から右側がバース)>
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<4階倉庫>
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3階層の倉庫スペースは、3階と5階が大ロット商品の出荷エリアで、4階は混載出荷を担う出荷メインフロアとなっている。3階では「サントリー天然水」をはじめとするサントリーグループ製品、5階では一般貨物を取り扱っている。また、各階には飲料の取扱いに適した低床のトラックバースが計39か所整備されている。これは、貸主である大和ハウス工業と協議して実現したものだ。

サントリーロジスティクスでは、人手不足や働き方改革への取り組み、さらなる物量の増加といった課題に対応するため、先端技術を活用した物流業務の自動化・省力化による労働負荷軽減、作業効率化、環境負荷の低減などを実現する「スマートロジスティクス」に取り組んでいる。

「浦和美園配送センター」では、デジタルトランスフォーメーション(DX)施策として、車両受付システム、バース予約システム、受注出荷システム、自動運転フォークリフト(AGF:Automated Guided Forklift)等を導入。統合WMS(倉庫管理システム)を基軸とし、これらのシステム間で情報を連携することで、乗務員・倉庫荷役の負荷軽減と省力化を図り、工数の従来比15%削減を見込んでいる。

各種システムの中でも「浦和美園配送センター」での目玉となる施策は、AGFとチェーンコンベアを組み合わせた搬送システムだ。同システムは豊田自動織機と共同開発したもので、特許を出願中。計4台のAGFと長さ40mのコンベアが連携することで、AGFの運用効率を最大化している。コンベアは計2基あり、それぞれが出庫と入庫の両業務に対応可能。有人の作業を想定した場合と比較して、入出庫業務の工数を30%削減できる見込みだ。

また、「浦和美園配送センター」では、フォークリフトにリチウムイオン電池や再生可能バッテリーを活用するなど、温室効果ガス排出量削減にも取り組み、現在、さいたま市SDGs企業認証制度の取得を目指している。

<サントリーロジスティクスの武藤 多賀志社長>
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「浦和美園配送センター」について、サントリーロジスティクスの武藤 多賀志社長は、「首都圏では年間5000万ケースの得意先出荷を行っているが、市場はまだまだ伸びる。浦和美園配送センターの稼働で安定供給を図っていく。同センターでは効率的運用に向けてさまざまなDXの施策を取り入れているが、これらはサントリーグループの出荷倉庫では初の取り組みだ。今後は、同センターの稼働を通して検証を進め、磨き上げた後、協力会社へ拡大していく」とコメント。

また、武藤社長は同センターでのSDGsの取り組みについて、「さいたま市が掲げる17項目中8項目にチャレンジする。一例としては、周辺でトレーラーの通行量が増えるため、交通安全教室など、地域に納得してもらえるような取り組みを進めていきたい」と語った。

<道路を挟んで隣接する埼玉スタジアム>
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■「浦和美園配送センター」概要
所在地:さいたま市緑区美園1-14(DPL浦和美園3~5階)
アクセス:東北自動車道「浦和IC」3km
延床面積:4万m2
天井高:5.5m
床加重:1.5t/m2
保管能力115万ケース
主要設備:パレット上下搬送機4基
フォークリフト33台(AGF4台含む)
シーリングファン14基
取扱商品:清涼飲料、酒類各種等
竣工・稼働開始:11月5日

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