エスマットは1月29日、在庫管理から現場DXを目指すAIエージェント「SmartMat Cloud(スマートマットクラウド)」の成果発表会を、東京都内で開催した。会場では機能概要の説明に加え、導入企業として電子部品・セラミック基板メーカーMARUWA SHOMEIの活用事例紹介やプロダクトデモを行った。
<スマートマットを手に事例発表を行うエスマット林 代表取締役(右)と、MARUWA SHOMEIの森岡COO>

エスマットは創業11年目のスタートアップ。重量を基準に在庫量を把握するIoT在庫管理「スマートマットクラウド」を主力事業として展開してきた。近年、在庫データの蓄積が進んだことで、AIによる分析・提案機能を本格的に強化している。
同社によると、製造・物流現場では人手不足が深刻化する一方、「欠品を避けたい」という心理から根拠のない安全在庫が積み上がりやすいという。現場にスマートマットを導入し、IoTで自動収集した在庫データをAIが解析し、消費傾向や欠品履歴をもとに最適化を続けられる点が、スマートマットクラウドの特長だ。
エスマットの林 英俊 代表取締役は「単なる自動化ではなく、大量の在庫を最適化することでROIC経営の特効薬にもなり得る。本当に役立つ生成AIプロダクトを目指している」と強調した。
導入事例として紹介されたMARUWA SHOMEIでは、2024年9月からスマートマットクラウドを導入。その結果、在庫約300万円分を削減し、欠品リスクを可視化しながら在庫水準を見直し、経験や勘に頼らないデータベースの判断が可能になったという。
同社の森岡哲浩 COOは「根拠を持って具体的な提案をしてくれる。現場でも腑に落ちる内容で、判断・改善につながった」と評価する。
<スマートマットを置いてDX化した現場>
スマートマットクラウドは、欠品履歴、最大消費量、1日当たりの平均消費量などをAIが多角的に分析。その判断理由を即座に可視化し、発注点や在庫閾値の変更を「提案」として画面に表示する。
現場はその提案を「承認」または「却下」するだけでよく、「却下」する理由をチャットで入力すると生成AIが学習し、判断基準の精度向上につながる仕組みだ。結果はレポートとして確認でき、人材育成や経営判断にも活用できるという。「仕組みはAIに任せ、最終責任は人が持つ。AI起点でデータに基づく判断ができることが大きい」と森岡COOは説明する。
エスマットでは今後、スマートマットクラウドの機能を、在庫管理にとどまらず「在庫診断」、さらには「調達計画提案」へ拡張していく計画。
現在の導入先は製造業が約半数を占めるが医療機関やホテル、物流業界にも広がっている。大手物流事業者の車両整備における部品在庫管理や倉庫内の梱包資材の在庫管理など、人手不足が加速化する物流現場においても「AI在庫管理は課題解決への要になり得る」と位置付けている。
エスマット/在庫最適化AIエージェント活用、半年間で約300万円在庫金額削減
