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プロロジス/山田社長「災害時の拠点となる施設目指した」

2021年12月22日/物流施設

プロロジスは12月22日、茨城県古河市でマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク古河 4」を起工したが、最先端の施設設計とBCPの観点からさまざまな工夫を図っていることを強調した。

<山田社長>
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<「プロロジスパーク古河 4」南西側バース>
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<建設場所>
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プロロジスの山田御酒社長は「以前の常総地区の水害も考え、今後起こりうる事態を想定して設計している。この施設の土台は全体に高くしてあり、地域の災害マップの最大値まで水が浸入しないように防水扉等も設置している。これは、プロロジス古河プロジェクトのみならず北利根工業団地内の拠点としての役割を考えたもの。2階に電源室を設けたのも、その一つ。BCPの観点からは、断水時にも約30日間トイレが使用できるよう給水設備や非常時の発電機燃料としてオイルタンクの地下への設置等、さまざまな機能を取り入れた災害時の拠点となる施設となっている」と話した。

そのほか、屋上に設置する太陽光パネルは売電ではなく、約6MWの施設内利用とする予定。

最先端の施設設計では、これまでにない天井高を実現している。通常5.5mが普通だが、同施設では、2・ 3階はメゾネット形式とし、梁下有効高6.3m最大8.6mとする計画。それに伴い、1フロア3万m2以上の広さを確保し、大規模なマテハンや自動倉庫の導入に対応している。これについて山田社長は「今後自動化の流れが急激に進み、マテハン類やロボット化の進歩を邪魔しないスペースを確保したもの」と言う。

リーシングについては、決定している企業はないが、アパレル企業、EC企業、医薬品等さまざまな企業からの問い合わせが数多く来ているという。大きなスペースを使いたいという要望が多いという。

山田社長は2021年の物流施設開発を振り返って「とにかく供給が極端に増えました。新規参入含めて現在70社というちょっと異常な状況です。オフィスも商業施設、ホテルも今のところ元気がないだけに、物流に参入してきている流れです。しかし、これが正常に戻れば、あえて物流に流れ込むこともないでしょう。土地の異常高騰も進んでおり、早く鎮静化してほしいものだと思っています」と話す。

また、来年以降については、「来年も厳しいでしょうね。21年より22年、22年より23年と物流施設の供給が増えることは今のところ確実。そこでピークアウトしてほしい。建て替え需要はあるものの、物量自体は減っており、人口減、低成長時代の流れの中では、どこかで止まると思います。物流施設需要の急拡大はうれしいことですが、このような急拡大は必ず反動が来ます。もう少しなだらかな成長になればと思いますね」と現在の状況についての懸念と期待を示した。

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