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鴻池運輸、OSARO/国内初の倉庫自動化オペレーションの共同実験

2022年02月21日/IT・機器

鴻池運輸とOSAROは2月21日、鴻池技術研究所イノベーションセンター(技研IC)において、2022年1月より約6か月間、透明・変形・反射・不定形な形状の商品にも対応可能なピッキングロボットとAMR(自律走行搬送ロボット)の連携による、国内初となる倉庫の自動化オペレーションの実証実験を行うと発表した。

<ピッキングロボットとAMRとの連携による倉庫の自動化オペレーション検証シーン>

この実証実験では、3つの物流プロセスを、 inVia Robotics社(inVia)のAMRとOSAROのピッキングロボットを連携させることで自動化することを目指す。1.AMRが、注文されたアイテムが保管されている棚まで移動する。2.AMRが、棚から荷物かごを取り出し、ピッキングロボットが待つエリアまで運ぶ。3.ピッキングロボットが、そのアイテムを荷物かごからピッキングする、という流れだ。

ピッキングロボットにはOSAROの画像認識AIシステムが搭載されており、整理されてない散らばった状態でも透明・変形・反射・不定形な形状のアイテムを認識し、箱に詰めるという、高度なピック&プレースが可能となっている。

従来、人間が行ってきた倉庫内の移動からピッキングまでを行う一連の作業のロボットへの置き換えは、コロナ禍で加速する物流量の増加と人手不足という、世界的な課題への対応として期待されている。両社は今回の実証実験を通じて、ロボット単体だけでなく、複数の自動化ソリューションを連携することによって起きるさまざまな課題を明らかにし、現場への導入に向けた課題の解決を目指す。

鴻池運輸の鴻池 忠嗣取締役専務執行役員は「OSAROと日本で初めてAMRと連携したピッキングの実証実験を行うことができることを光栄に思う。弊社では、国内外の最先端の技術を研究しており、ピッキングAIの分野においてもさまざまな技術の比較を行った。その中で、我々として、OSAROは「時系列に対応させたマルチモーダルAIデータの自動収集と自動学習」および「複数のAIモデルの推論結果を組み合わせた正確なピッキング」という点で、変化が激しい物流現場での活用に優れていると判断し、今回共同でおこなうことにした。日本では少子高齢化で人手不足が急速に進むというピンチを迎えているが、我々はそのピンチをチャンスに変えて、新しい現場の姿を技研ICで開発し世界に発信していきたいと考えている」とコメント。

OSARO, INC.のデリック・プリッドモアCEOは、「OSAROは鴻池運輸のパートナーとして、inViaのAMRとOSAROのAIシステムが搭載されたピッキングロボットを組み合わせたユニークな検証を行うことができ、大変嬉しく思っている。今回の共同実験でつくりあげたシステムは、モジュール式で柔軟性があり、既存のシステムの改良に対応したフルフィルメントシステムの一例。将来の倉庫は、このようなシステムを活用することで、大量の手作業を必要とせず、顧客の需要増に対応できるようになるだろう」と述べている。

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