IHIとSpace BDは2月28日、IHIが開発し、Space BDが打上げをサポートした超小型衛星「IHI-SAT」が、国際宇宙ステーション（ISS）に向けた打上げに成功したと発表した。
＜「IHI-SAT」を載せたロケット＞
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＜IHI-SAT＞
「IHI-SAT」は、3U（10cm×10cm×34cm）サイズの超小型衛星。船舶が衝突防止等を目的として自船の位置や速度情報などの信号を周辺の船舶や陸上局に発信するAIS（Automatic Identification System：自動船舶識別装置）信号を宇宙空間で受信するシステムを搭載しており、その機能実証を主なミッションとしている。
＜AIS受信システム＞
AIS受信システムは多数の船舶が発信する信号を高精度にデジタル化し、個別の船舶信号に分離・識別することが可能で、混雑した海域でも船舶の動きを把握することが可能。特徴として、人の手が届かない宇宙空間で衛星機器の不具合が発生した際に、自己診断など複数の復旧手段によってミッションを継続できるシステムを有している。
今回打ち上げられた「IHI-SAT」は、2月20日午前2時40分（日本時間）にNASAワロップス飛行施設 中部大西洋地域宇宙基地（米国バージニア州ワロップス島）から、アンタレスロケットにより打上げられたノースロップ・グラマン社（Northrop Grumman）のシグナス補給船に搭載。シグナス補給船でISSに輸送後、日本実験棟「きぼう」から超小型衛星放出機構「J-SSOD」によって宇宙空間へ放出され、約1年間の運用を予定している。
