ヤマトグループ総合研究所は4月11日、2021年10月1日から2022年1月31日の期間、「2030年の物流 ―ニューノーマルに対応した物流―」をテーマに懸賞論文を募集し、選考の結果、受賞作品を決定し発表した。
＜懸賞論文募集の扉＞
新型コロナウィルスの感染拡大や自然災害の頻発など社会環境の変化を受け、人々の価値観や生活様式は大きく変化している。ヤマト総研では、物流を通じた社会課題の解決に向け新たな知見を集め、持続可能な社会の実現に貢献することを目指し、2019年度より懸賞論文募集を実施している。第3回目となる今回は「2030年の物流 ―ニューノーマルに対応した物流―」をテーマに懸賞論文の募集を行った。
その結果、35件の応募があり、その中から5作品の受賞作品を決定した。
■最優秀賞 賞金：30万円、賞品：記念品
作品名：フリー・キャリア方式が変革するECの近未来 ―持続可能な物流の実現に向けて―
受賞者：日本通運 福田孝英
■優秀賞 賞金：15万円、賞品：記念品
作品名：Logistics5.0時代のアジャイル型物流開発 ―LXへの挑戦―
受賞者：寺田企画 寺田高久
作品名：ロールボックスパレットを利用した定温貨物列車新設の提言 ―持続可能な小ロット向け定温品物流を目指して―
受賞者：ヤマト運輸熊谷コンテナ支店 板鼻拓実
■特別賞 賞金：10万円、賞品：記念品
作品名：持続可能な社会を志向した在庫管理の最適化 ―小売カンバンモデルの提案―
受賞者：一橋大学商学部商学科（現在：ALBERT）堤夏輝
作品名：ホワイトEC物流2030 ―荷主と企業で築く優しい物流インフラー
受賞者：サイモンフレイザー大学社会科学部経済学科4年 有賀夢帆
審査委員長の慶應義塾大学総合政策学部國領 二郎教授の総評では「私たちを取り巻く社会環境は、新型コロナウィルス、気候変動と自然災害、ウクライナ問題などにより大きな影響を受けている。それらは、私たちに行動制限をもたらし、身近なところでは物価上昇などで顕在化している。この様な状況にあって、2030年の社会をどの様に捉え、持続可能な社会構築において「物流」が果たし得る役割はどのようなものか、この問いに応える意欲的作品を受賞作とした。現時点では実現が難しいと思われることも、技術革新や価値観の変容など2030年に起きているであろう変化について大胆な思考を必要とする。物流をサプライチェーンおよびデマンドチェーンで俯瞰し社会システムを転換させる新しい視点は、2030年のニューノーマルに対応した物流をテーマとした作品であり、これからの取り組みに大いに期待できるものだった」としている。
