商船三井は4月20日、神戸市中央区に所有する「神戸商船三井ビル(神戸ビル)」が、4月に竣工100周年を迎えたと発表した。
<竣工当時の神戸商船三井ビル外観(左)と、現在の神戸商船三井ビル外観>
神戸ビルは、第一次世界大戦後の不況風と、大正デモクラシーの気風が入り混じる1922年(大正11年)に竣工。日本の海運・港湾事業の拠点として、港町の神戸と共に日本の成長を見守ってきたといい、現在も神戸での事業拠点としての機能を維持している。
<「神戸商船三井ビル」の歩みをまとめた動画>
神戸ビルの設計は、後にダイビル本館や大阪市に現存する綿業会館を手がける建築家の渡辺節氏が担当。昭和を代表する日本建築界の巨匠になる、20代の頃の村野藤吾氏もその下に加わっていたとみられるという。
加えて、当時は、まだ揺籃(ようらん)期にあった大規模集合オフィスビルで、建築資材の一部は自社の船で海外から運んできたと伝えられている。
ビルはその後、戦争、高度成長、バブル景気とその崩壊、阪神・淡路大震災を経てきた。
震災後には、最新の技術で耐震補強を施工し、現在は、大正生まれの大規模集合オフィスビルの中で竣工当時の姿を、おおよそでとどめる、ほぼ国内唯一の事例で高い評価を受けており、神戸を代表する商業と観光地である旧居留地地区のランドマークとしても人々に親しまれているという。
また、商船三井では4月20日に、神戸ビルの100周年を記念して同社が上梓した記念誌を神戸市に寄贈した。
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