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オリックス不動産/千葉県市川市の「環境配慮型」物流施設を公開

2023年01月25日/物流施設

オリックス不動産が千葉県市川市で開発を進めていた物流施設「市川塩浜IIロジスティクスセンター」がこのほど竣工し、1月25日、報道向けに内覧会を開催した。

<「市川塩浜IIロジスティクスセンター」外観>
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同物件の場所は、京葉線「市川塩浜」駅から徒歩約12分、同社が2016年に建設した「市川塩浜ロジスティクスセンター」の隣地。床面積は2万4141.30m2(約7302.74坪)、地上4階建てのマルチテナント型物流施設だ。

<位置図>
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立地は、首都高速湾岸線「千鳥町インターチェンジ(IC)」から約3.6km。東京駅まで約20㎞と大消費地に近接し、東京外郭環状道路(三郷南IC~高谷JCT)の開通により、都内主要エリアへのアクセスも良好だ。20~30km圏内には、大井ふ頭などがある東京港や羽田空港もあり、都心への配送だけでなく船便、航空便を利用した広域配送にも適している。

<投資開発事業本部の久保田勲副本部長>
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内覧会では、同社投資開発事業本部の久保田勲 副本部長が、昨年のマーケットについて「燃料高騰や人手不足、建築コストの高騰など、物流を取り巻く環境は厳しいものだったが、その一方で、より効率的な物流への見直しもあった。拠点の統廃合や自動化など、業界の潮流は変わりつつあるが、まだまだニーズがあるとみている」と説明した。

同社は、2002年から物流倉庫の開発に着手し、「市川塩浜IIロジスティクスセンター」で45件目となる。同施設の特徴について久保田副本部長は、「夜間を含めて100%再エネルギー由来の電力を供給する環境配慮型物流施設とした。これは荷主が環境に配慮しない倉庫をよしとしないという、時代の流れでもある。我々の物件は、今後この『環境配慮型』にシフトしていく」との方向性を示した。

<屋根に設置した太陽光発電設備>
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同施設は、屋根に第三者所有モデルで太陽光発電システムを設置。発電した電力は施設内で自家消費されるが、夜間や天候の影響により電力が不足する場合も、オリックスが非化石証書付き(トラッキング付き)の電力を供給し、100%再生可能エネルギー由来の電力で賄うことができる。また、CASBEE(新築Aランク)取得やLED照明採用、電気自動車(EV)充電スタンド(2台)を設置するなど、積極的に環境配慮に取り組んでいる。同社では、オリックス不動産物流事業部とオリックス環境エネルギー本部が協力し、グループ一体となって環境配慮に取り組むことで、こうしたスキームを実現。久保田副本部長は、「そこが他社デベロッパーとの違いであり、強み」と胸をはる。

<スキーム図>
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同社では現在、14物件が開発フェーズに入っている。2024年問題をふまえた今後の展開については、「人手不足は慢性的に続いていくと思われるが、おそらく2024年を境に、拠点の見方が変わってくるだろう。首都圏だけでなく、中継地点など新たなニーズが出てくるのでは。地方での開発も視野に入れていく」と語った。

<倉庫内観>
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同日、施設内見学ツアーと物流ロボットの展示やデモンストレーションも行われた。同施設は、最小区画約1万1900.81m2(3600坪)から最大2テナントの入居が可能。1階の両面バースには計44台の大型トラックが接車でき、効率的なオペレーションを実現する。入居テナント企業のニーズに応じて、垂直搬送機や事務所スペースを追加することも可能だ。同施設には既に60社超の企業が内覧を希望しているという。新しい倉庫では、オリックス・レンテックやワコーパレットが最新トレンドの物流機器や無人フォークリフトなどを展示し、内覧に訪れた人々の注目を集めていた。

<物流ロボットの展示やデモンストレーションの様子(動画)>

■施設概要
名称:市川塩浜IIロジスティクスセンター
所在地:千葉県市川市塩浜 2-16-6 他
交通手 段:JR京葉線「市川塩浜」駅から徒歩約12分(約900m)
首都高速湾岸線「千鳥町インターチェンジ(IC)」から約3.6km
敷地面 積:1万1878.50m2(約3593.24坪)
延床面 積:2万4141.30m2(約7302.74坪)
規模・構造:地上4階建(1階両面バース)、鉄骨造
その他:床荷重 1.5t/m2、梁下有効高 5.5m、一般駐車場 17台
全館LED完備、非常用発電機完備、太陽光発電設備実装、
電気自動車(EV)充電スタンド 2基設置
設計・施工:鴻池組
着工:2021年12月15日
竣工:2022年12月28日

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