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街と一体化した巨大物流施設
全解剖「グッドマン常総」

2023年03月08日/物流最前線

20230224goodman1 icatch - 物流最前線/巨大物流施設「グッドマン常総」全解剖

グッドマンジャパン最大規模となる物流施設開発が、茨城県常総市で着々と進んでいる。2023年7月の竣工予定で、同社が千葉県の印西ビジネスパークで展開した「街と一体化した物流施設開発」をここでも展開する。2024年問題を抱えた日本の物流市場で同社の物流施設開発は常総市の「AIまちづくり」に合致した多機能・高効率、そしてカーボンニュートラルの地球環境保全の施設とする考えだ。グッドマンジャパンの坂本聖司リーシング統括部長に開発の背景や狙いを伺い、その全貌を明らかにする。

<グッドマン常総鳥観図>
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常総IC直下の好立地、従業員確保に先手

グッドマンジャパンが開発を進めている「グッドマン常総」について、同社の坂本聖司リーシング統括部長はまず「立地とアメニティ、基本倉庫設計、そして賃料には自信を持っています」と話しを切り出した。その自信を裏付ける一つが立地面の良さ。茨城県常総市の首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の常総IC直下の好立地に位置し、都内からは約1時間の近さだ。また、一般道のアクセスもよく、常盤自動車道の谷和原ICからは国道294号線でストレスなくアクセスが可能。

また、首都圏の主要なターミナル、例えば東京駅や成田国際空港からも約1時間の距離となる。周辺人口の多さも魅力的だ。車で30分圏内には、人口86.5万人が居住しており、地方都市としては珍しく、雇用確保には極めて有利な条件が整っている。

<グッドマン常総 地図1>
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<グッドマン常総 地図2>
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坂本リーシング統括部長は「立地は圏央道の常総ICのすぐ真横。昨今関東周辺では物流エリアも広がっており、すぐ西につくば市、北東に土浦市と茨城県の中でも人口の多い場所として、雇用確保にも有利な立地だと判断し開発を進めました。常盤自動車道(常磐道)の谷和原ICからも下道を通れば20分くらいの距離ですし、首都圏一帯の輸配送や中継拠点、保管拠点としても物流適地だと思います」と立地に強い自信を示した。

さらに、雇用については、茨城労働局と雇用対策協定を締結。人材確保の支援、Uターン、Iターン、Jターン等の促進・創業支援等の手厚い支援も受けられるほか、広域でのハローワークとの連携や市民雇用の支援金を検討するなど、人員確保にあらゆる手段を講じている。雇用面だけでなく、働く人たちの居住面でも便宜を図る制度を整えている。例えば、空家等バンクの活用支援事業や市営住宅の積極的な活用、子育て世帯などを対象とした移住・定住の仕組みづくり、住まいオーダーサービスによる住まい探しのサポート等働く人たちの立場に立った取り組みも進めている。

特筆すべきは、通勤ルートの多様さ。グッドマン常総への通勤者用につくばエクスプレス「守谷駅」「研究学園駅」「つくば駅」などからのシャトルバスの運行が検討中で、また、常総市コミュニティバスが2025年からアグリサイエンスバレー常総地内のルートについても検討中だ。さらに、関東鉄道常総線との連携による公共交通整備も検討中とのことで、公共交通機関の充実は今後困難を極めることになる従業員獲得の大きなバックアップとなるだろう。

なお、アグリサイエンスバレー常総とは、食と農と健康の産業団地を謳った常総市と戸田建設がPPP(官民連携)協定を締結し、開発計画を進めている産業団地のこと。地産地消のマルシェ・レストランやイチゴの観光農園、道の駅、ブックカフェ等の施設が並ぶ。グッドマン常総はこの1つの街とも呼べる多彩な施設を伴った団地内の一角に位置しているわけだ。さらには、もう1棟のグッドマン常総2も2024年に開発予定だという。

2024年問題を目前に控え、ますます従業員確保が困難になることが予測されるこの時期に、グッドマンジャパンはいち早く多彩な施策で従業員確保のための方策に努めていると言える。好立地と従業員確保に万全を期せば、残りは従業員のためのアメニティ施設や物流倉庫としての施設概要が気になるところである。

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