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アスクル/多彩な自動化図った「ASKUL東京DC」公開

2023年03月09日/物流施設

アスクルは3月9日、東京都江戸川区臨海町で11月21日に稼働開始した「ASKUL東京DC」を公開し、倉庫内部の自動化機器やマテハン機器を紹介した。

<ASKUL東京DC>
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ASKUL東京DCはアスクルの東日本でのBtoBの最先端基幹センターとして開発され、稼働後同社のフラッグシップセンターとなっている。

<玉井継尋取締役>
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現場見学に先立ち、アスクルの玉井継尋取締役CFO兼コーポレート本部長は「アスクルは創業30年。中小企業に大企業並みのサービスを提供して成長した会社。文具からスタートしたが、現在では製造現場に必要な様々な製品からOA・PC用品、メディカル製品、研究用品、生活用品まで扱い、現在1200万アイテム超まで取扱商品を拡大している。このASKUL東京DCは、今後予想される人出不足に対応するために、高度な自動化を図っている。アスクルの進化は物流の進化」とASKUL東京DCに対する高い期待を表明した。

<伊藤珠美執行役員ロジスティクス本部長>
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また、伊藤珠美執行役員ロジスティクス本部長は2024年問題の労働力不足に関して「今後予想される人出不足は非常に深刻だと思う。この施設の自動化はその対策を考慮して、各エリア部分で自動化を目指した。駅から徒歩15分という立地においても考慮し、さらに従業員の昼食は無料といった福利厚生面の充実もその一環。自動化については、今のところ追加投資の予定はないが、いずれ必要なものには適宜新技術を導入することになるだろう。今のところ2024年問題での人手不足には対応できるものと自負している」と自信を見せた。

ASKUL東京DCは、設備投資額約105億円を投じて完成。出荷能力は年間650億円、地上5階建で延床面積約5.6万m2、高速自動化により自動梱包は約80%を達成、2層階の大型ケース自動倉庫には、約25.7万CSが収納できる。

<ケース自動倉庫>
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<パレット自動倉庫>
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<自動封函機>
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ASKUL東京DCのそれぞれのエリアで多彩なロボティクスが稼働している。入荷・棚入れ・保管では、ケース自動倉庫、パレット自動倉庫、ピッキングでは、GTPとDPS、搬送にはスパイラルコンベア、梱包ではI-Pack高さ可変梱包機、出荷・方面別仕分には、紙袋仕分けソーター、荷合わせ兼仕分けソーターを採用。

4F、5Fのケース自動倉庫は村田機械製(搬送ラインはトーヨーカネツ製)で、クレーン台数50台、最大保管数約25万ケースの格納が可能だ。1Fから3Fへの搬送にはスパイラルコンベアを採用。庫内搬送が省スペースで上下フロアの搬送が可能となる優れもの。

<スパイラルコンベア>
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同社ロジスティクス本部の末吉賢次物流戦略企画物流企画部長は「スパイラルコンベアに代表されるように、空間の使い方を工夫することで、作業生産性を損なわず、庫内により多くの商品を在庫できるようにした。天井高5.5mといっても、一般的には多くが上部の空間を遊ばしたままの状態が多く、今回有効に利用した」と話す。

ロボット等による自動化以外にも、現在一番の問題となっている納品トラックの待機時間の解消には、新しいバース予約システムを導入し、従来の平均82分を約1/3にまで削減し、入荷キャパシティの増加を実現している。

なお、現在アスクルには、全国当日・翌日配送を実現する主要10センターがある。BtoB事業のみを行うセンターがASKUL 東京DC等6センター、BtoB事業+BtoC事業を行うセンターがAVC関西等2センター、BtoC事業のみを行うAVC日高、前捌き・3PL事業がASKUL三芳センターとなっている。

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