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日本郵便/かんぽ生命も社長交代、連携し信頼回復と課題解決挑む

2023年04月21日/SCM・経営

日本郵便はこのほど社長交代を発表し、4月21日に都内の日本郵政グループ本社ビルにおいて記者会見を開催した。

登壇者は、日本郵便の衣川和秀社長と、次期社長予定者である、かんぽ生命保険の千田哲也社長、そしてかんぽ生命保険社長の後任となる、ゆうちょ銀行の谷垣郁夫 副社長の3名。いずれも6月に予定している定期株主総会後の取締役会で正式に決定し、衣川社長は退任する。

<左から、ゆうちょ銀行 谷垣副社長、かんぽ生命保険 千田社長、日本郵便 衣川社長>
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会見では、まず衣川社長が自身の退任理由として「65歳という節目の年であり、中期経営計画(JPビジョン2025)見直しの年でもある。かんぽ生命の不正問題、コロナ禍、ウクライナ侵攻、物価上昇など本当に課題の多い3年余りだったが、精一杯取り組んできた。最大の課題は顧客の信頼回復と社風改革だ。成果としては道半ばだが、土台の構築はできたのでは」と振り返った。

続いて、千田次期社長が「今年は正念場の年、将来を展望できる兆しが少し見え始めた。かんぽ生命保険の次期社長として谷垣氏が使命されたが、これまでの改革路線を継承しながら連携し、協力関係を構築していきたい。郵便は物流分野での課題も多く、まだまだ超えなければいけない壁があると思うが、全力で取り組んでいきたい」と抱負を語った。これに続き谷垣氏も「かんぽ生命の信頼回復と、持続的成長に向けて再生していくことが私の使命。全力で取り組む」と応えた。

<日本郵便の次期社長予定者・千田哲也氏20230421nihonyubin2 520x386 - 日本郵便/かんぽ生命も社長交代、連携し信頼回復と課題解決挑む

質疑応答では冒頭、中小企業庁が公表した「価格交渉促進月間(2022年9月)」において協力会社から低い評価を受けたことへの対応について問われた。これに対し衣川社長は、「自主点検、相談窓口の設置、コミュニケーション促進の3つに取組んでいる。郵便ネットワークは協力会社なしではなしえないと思っている。今後ウィンウィンの関係を構築していきたい」と語り、千田氏も衣川社長の思いを引き継ぐ意向を示した。そのうえで、「かんぽ生命時代にやってきた、社員を守る、現場任せにしないという体制づくりを、日本郵便の社長になっても継続していきたい。社員が安心して働ける環境をつくり、本当の意味で顧客のために、選んでいただけるかんぽ生命にしていってほしい」と、谷垣氏にバトンを渡した。

さらに、日本郵便の社長としての指針を問われると、「金融、物流という分野についても中長期的な将来像をつくり、社員や顧客と共有していきたい。かんぽでの経験を活かしてやっていきたい」としながらも、2024年問題への対応については「物流の実態や課題についてはこれから勉強し、法令を含めいろいろ解決方法が考えられると思うので、しっかり取り組んでいきたい」とした。衣川社長は「細部を含めて調査し、検討している。法令遵守をしながら、どうサービスレベルをとっていくのか、早急に決めていきたい」と、残り2か月の在任期間を見据えた。

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