国土交通省は5月26日、「ヒトを支援するAIターミナル」の取組の一環として、コンテナターミナルでの外来トレーラーの自働走行に関する取組を2020年度から実施し、このほど現場実証の結果をとりまとめ発表した。
この現場実証は、コンテナターミナルのゲート前での外来トレーラーの待機時間が長時間化し、ドライバー不足やコンテナ輸送力の減少が問題となっている中、ドライバーの労働環境の改善や荷役効率の向上を図り、コンテナ輸送力を維持する必要があることから実施されたもの。
公募により実施場所を選定し、実際のターミナルでの現地調査及び模擬フィールドでの自働走行試験を行い、自働走行に係る安全性の検証を実施した。具体的には、走行レーンからのはみ出し、GNSSや各種センサーによる車両位置の検出精度、決められた荷役位置(停止位置)での停止精度、荷役機械との連携について現場実証を行った。
実施場所は、横浜港本牧ふ頭地区HDG オフドックバンプール。実証項目は、「自働トレーラーの走行軌跡」では、設定したルートからの逸脱、蔵置コンテナによるGNSS の精度への影響、直進部、カーブ部の走行(走行幅、回転半径など)。また、荷役を想定した位置および一時停止箇所における自動停止・発車、となっている。
実証結果では、ターミナルを再現した模擬フィールドにおいて、自働走行の基本動作や安全性に大きな問題が無いことが確認出来た。一方で、社会実装のためには、車両の走行速度や停止精度向上といった更なる技術開発が必要であるほか、実際のターミナルをモデルとした運用方法や運用ルール等について、関係者において詳細に検討する必要がある。
引き続き、ターミナルの生産性向上、労働環境改善に向けた取組を進めていくとしている。
国交省/IMOの貨物運送小委員会でアンモニア燃料船舶の安全基準案合意