JR貨物が7月12日に発表した2023年度第1四半期の輸送動向によると、同期の輸送実績はコンテナが441万6000トン(前年同期比1.8%減)、車扱が184万3000トン(10.6%増)で、合計625万9000トン(1.6%増)となった。
同期は、新型コロナウイルスの5類感染症への移行等により行動制限が緩和され、自動車等の業種については回復傾向が見られるが、原材料費高騰に伴う物価上昇による需要低迷等の影響が続き、コンテナは前年を下回ったが、車扱が前年を上回ったことで輸送実績合計は前年を上回った。
コンテナは、自動車部品が半導体不足の解消が進み自動車生産が回復傾向にあり増送となったほか、農産品・青果物が北海道及び九州地区で玉葱の収穫が順調だったことから作柄不良の影響を受けた前年を上回った。一方で、化学薬品及び化学工業品は、需要の低迷により生産減が続き低調に推移したほか、昨年来の値上げの影響等により清涼飲料水を中心に消費が低調に推移した食料工業品、需要減に加え一部顧客の設備不具合により生産減となった紙・パルプ等の減送により、コンテナ全体では前年を下回った。
車扱は、セメント・石灰石が顧客の生産計画の変更により前年を上回ったほか、石油が行動制限の緩和によりガソリン及び軽油等を中心に需要が増加し増送となった。