日本水素エネルギー(JSE)と川崎汽船・商船三井・日本郵船(以下、海運3社)は9月26日、海運3社がJSEの子会社であるJSE Oceanへ、第三者割当増資により同12日に資本参加し、協業することに合意したと発表した。
<16万m3型 液化水素運搬船コンセプト図 提供:川崎重工業>
JSEは、岩谷産業・ENEOSとの3社で、2021年8月、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から公募された「グリーンイノベーション基金事業/大規模水素サプライチェーンの構築プロジェクト」に対して、「液化水素サプライチェーンの商用化実証」を提案し、採択された。
同実証事業では、年間数万トン規模の大規模な水素の液化・輸送技術を世界に先駆けて確立し、水素製造・液化・出荷・海上輸送・受入までの一貫した国際間の液化水素サプライチェーンを構築するための実証に取り組んでいる。
JSE Oceanは、JSEの子会社として、液化水素運搬船による液化水素の海上輸送事業検討を目的に今年1月に設立。今回の第三者割当増資の実施により、JSEと、エネルギーの海上輸送事業において豊富な知見・経験を有する海運3社は、JSE Oceanを通じて商用規模の国際水素サプライチェーンにおける液化水素の海上輸送確立を目指す。
具体的には、2024年までに世界初の大型液化水素運搬船における安全で効率的な運航、将来性のある海上輸送事業スキームの検討を共同で実施していく。また、液化水素運搬船は水素を推進燃料とする予定で、運航時に排出されるCO2の大幅な削減を目指す。
第三者割当増資とは、特定の第三者に対して新たに株式を発行することで増資を行う手法。今回の出資比率は、JSEが50.2%、海運3社はともに16.6%。
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